新コンビの武豊を背に力強い動きを見せたエリカエクスプレス(撮影・石湯恒介)
「秋華賞・G1」(19日、京都)
新コンビを組む武豊を背に16日、
エリカエクスプレスが栗東坂路で最終追い切りを行った。余裕残しの手応えで4F53秒2-38秒5-12秒0をマーク。初めて手綱を取った鞍上は「思ったより乗りやすかった」と高評価。近走は思うような結果は出ていないが、桜花賞で1番人気になった素質馬がレジェンドの手腕で巻き返す。
速さを武器に押し切れるか注目だ。
エリカエクスプレスは新コンビの武豊が騎乗して栗東坂路で最終リハ。これまでは前進気勢の強さが目立っていた馬だが、序盤からしっかりと折り合い、軽快なフットワークで真一文字に駆け上がった。手応えに余裕を残したまま、4F53秒2-38秒5-12秒0を計時。最後まで加速ラップを刻んで、好調ぶりをアピールした。
武豊は「引っ掛かると思っていたけど、そんなこともなく、思ったより乗りやすかった」と操縦性を高く評価。大一番に向けて「
フェアリーSが強い競馬。持っているポテンシャルは高いから、それを引き出せるようにしたい」と色気をのぞかせた。
始動戦はマイルの京成杯AH。杉山晴師は「同じ中山千六(の
フェアリーS)でいい競馬をしてくれたし、思い出してほしかった」とレース選択の意図を説明する。結果は11着。それでも「思った以上に折り合いはついたけど、最後は同じ脚色になった。ただ、勝ち馬との着差もそこまでなかったし、内容は悲観していない」と前を向く。
スピード性能の高さはかなりのものだが、制御の難しさがネックだった。だが、追い切りを見届けた指揮官は「ものすごくリズム良く追い切れたのは、いい意味で馬が違ってきた。心身の
バランスが今回は整っている。いいイメージで乗ってくれると思う。
エクスプレスの名前通り、脚力をレースで見せたい」と力を込めた。桜花賞で1番人気に支持された逸材。名手に導かれ、牝馬3冠最終章で成長した姿を見せつける。