エーデルワイス賞は地元馬の勝率が高い重賞であり、門別2歳馬の中でもひときわハイレベルな、牝馬短距離路線の層の厚さを裏付けている。昨年はJRAの
ミリアッドラヴが勝利したが、この馬はその後続けて全日本2歳優駿をも制したように、牝馬の枠に収まらない能力の持ち主だった。また、昨年に関しては、地元の最有力候補だった
ゼロアワーや
リオンダリーナが出走しなかったという背景もある。
昨年と違い、今年は地元のエースが参戦する。それが
リュウノフライトだ。
ステップレースであるリリーC、フルールCを連勝、それも圧倒的なパフォーマンスの差を見せつけてのものだから、地元勢では抜きん出た存在である。この馬の特色は、豊富な
スピードと、それをレースで自在にコントロールできる折り合いの良さを併せ持っている点だ。
デビュー戦は
スピードで押し切る逃げ切りだったが、リリーCでは先行集団の後ろで砂を被りながら脚をタメる形にも難なく対応し、フルールCでは、普通の馬ならオーバーペース気味の
ハイラップを、外2番手で持ったまま抜け出した。ここまでのレースぶりから、これといった隙は見つからない。地元代表として強い姿を見せてもらいたい。
対するJRA勢は、ダート経験のある馬が1頭だけということもあり、なかなか比較が難しい。勝ち時計はやや平凡も、唯一ダートで勝ち上がっている点で
アパタイトテソーロは評価しやすい。
実績的には、芝重賞で入着歴のある
タイセイフレッサに目がいくが、初ダートで砂を被ることになる1番枠をどう乗りこなすかが課題だ。その点、大外枠を引いた
ミスバレンシアは対照的。デビュー戦のように
スピードを生かせれば力を出せるだろう。
仮にJRA勢が門別のダートに
フィットできなかった場合、地元馬の上位独占もありうる。例年、差し追い込み馬が浮上しやすい展開になることを考えると、直線勝負に懸けるであろう
ビッグカレンルーフにも狙い目がある。ただ、前走はイレ込んで力を出せなかっただけに、当日の気配は要チェックだ。もちろん、
ステップレースでいずれも2着だった
ミスティライズも上位圏内の1頭である。
(文:競馬ブック・板垣祐介)
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