◆第172回天皇賞・秋・G1(11月2日、東京競馬場・芝2000メートル)
まさに無双モードだ。クリストフ・ルメール騎手=栗東・フリー=は、秋華賞を
エンブロイダリー、先週の菊花賞を
エネルジコで制し2週連続のG1制覇。自身6度目となるJRA・G1騎乗機会3連勝へ、日本ダービーで2着の3歳馬
マスカレードボールとの新コンビで臨む。
初コンタクトとなった23日の1週前追い切りでは、美浦・Wコースで6ハロン84秒3―11秒8。「エンジンがかかるのに時間はかかるけど、跳びが大きくて状態は良さそう。東京の2000メートルは合うと思う」と白い歯をのぞかせた。これまではラ
イバルとして、走りを見ていたが「ダービーはとてもいいパフォーマンスだった。春はまだ子供っぽかったけど、秋から大人になって競馬が好きになったらフルポテンシャルを使える」と確かな成長も感じ取った。
名手は天皇賞・秋との相性も良く、近7年で5勝。18年に
レイデオロで初勝利を飾ると19、20年には
アーモンドアイで制し3年連続のV。22年には同じく日本ダービー2着からの参戦だった3歳の
イクイノックスにG1初タイトルをもたらし、翌年に同馬でも連覇した。これ以上ない相棒に、手塚久調教師も「ルメールさんも調子が出てきたし、いいんじゃないかな。癖もつかんでくれたと思うしね」と目を細める。
26日に坂路で54秒6―12秒5をマークし、態勢は万全。トレーナーは「普段はだいぶ大人になって従順になったね。まだ成熟していないところもあるけど、そこは来年以降でいいかなと思う。心肺機能は割とできているよ」と納得の表情。続けて「東京2000メートルは使ってみたい舞台だったからね」と大きな期待。強豪ぞろいの年長馬撃破へ、しっかり牙を研ぎ澄ましている。(角田 晨)