先週は2歳牝馬の収得賞金上位頭数をお知らせしたが、今週は2歳牡馬の収得賞金上位を見ていきたい。新潟2歳Sを勝った
リアライズシリウス(美浦・手塚貴久厩舎)など、重賞勝ちで収得賞金2000万は4頭。これにJRA移籍初戦で函館2歳Sを制した
エイシンディード(栗東・大久保龍志厩舎)が1720万で続く。萩Sを勝った
バドリナート(栗東・松永幹夫厩舎)など、オープン勝ちで1200万が2頭いて、同じくオープン勝ちもしくは重賞2着の1000万が5頭。
ここまでが12頭なので、2歳牡馬のGI路線が朝日杯FS(12月21日・阪神芝1600m)かホープフルS(12月27日・中山芝2000m)という選択ができるので、この後のレースで収得賞金が増える馬も出てくるだろうが、1勝馬でも狭き門ということにはなりそうにない。
【11月8日(土) 京都芝1800m】
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アドマイヤシュラ(牝、父
エピファネイア、母アドマイヤミヤビ、栗東・友道康夫厩舎)
母アドマイヤミヤビは現役時代に友道康夫厩舎で管理され、半兄
アドマイヤテラ(父
レイデオロ)は今年の目黒記念を制している。本馬について「札幌でゲートを受けた時に比べると、馬体重も増えてかなりしっかりしてきました」と友道康夫調教師。
1週前追い切りはCWで古馬1勝クラスをかなり大きく追走する形になって遅れ。ただ、6F80.0秒と速い時計をマークしており、ラスト1Fは11.7秒。ここまでの調教量としては十分だが、これだけ強い負荷をかけることができたことで、より一層中身がしっかりしてくるのではないだろうか。鞍上はC.デムーロ騎手が予定されている。
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サウンドムーブ(牡、父
リアルスティール、母サウンドルチア、栗東・斉藤崇史厩舎)
おばに芝で4勝を挙げている
サウンドアレグリア(父
キズナ)、祖母サウンドリアーナ(父ケイムホーム)は2012年ファンタジーSで芝の重賞を勝っている。
本馬は8月7日に栗東でゲート試験を合格し、当時から「いいものを持っていますよ」と斉藤崇史調教師の評価が高かった馬。10月に栗東へ入厩してから順調に追い切りを進めており、1週前追い切りのCWでは
タガノエルピーダ、
ヤマニンシュラといった格上相手の3頭併せで最先着。全体時計は遅かったものの、ラスト1Fは11.1秒の切れ味を見せた。鞍上は団野大成騎手が予定されている。
【11月8日(土) 東京芝1800m】
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ラヴェニュー(牡、父
ロードカナロア、母コンテスティッド、栗東・友道康夫厩舎)
半兄に2021年金鯱賞など重賞2勝の
ギベオン(父ディープインパクト)がいる。本馬は2024年セレクトセール1歳にて、1億7000万円で落札されている。
1週前追い切りはCWで古馬1勝クラス2頭との3頭併せ。最後方から追走して最先着しており、時計は6F80.5秒、3F35.5秒、1F11.1秒をマーク。時計が出やすい時間帯ではあったが、10月29日のCW3F35秒台はこの馬だけなので、その価値は相当高い。鞍上は戸崎圭太騎手が予定されている。
【11月9日(日) 京都ダート1400m】
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ヒルノプーリア(牝、父
ミスチヴィアスアレックス、母ヒルノケアンズ、栗東・北出成人厩舎)
父は今年の新種牡馬でダートでの勝ち上がり頭数の方が多い。母系には今年の札幌記念を勝った
トップナイフ(父
デクラレーションオブウォー)がいる血統。
本馬は10月10日にゲート試験を合格。その後も栗東に在厩して追い切りを消化。10月22日のCWでは6F82.5秒、3F37.6秒、1F11.8秒をマークして、新馬3頭の併せ馬で最先着。10月29日の栗東坂路では4F52.1秒をマークしていて、この併せ馬でも先着。追い切りの動きは活発に動くことができている。
(取材・文:井内利彰)