3連勝中の勢いに乗って重賞に挑むレイナデアルシーラ(撮影・石湯恒介)
「みやこS・G3」(9日、京都)
限られた残りの時間。ゆかりの血統で臨む数少ない重賞Vの好機が巡ってきた。西園正都調教師(69)=栗東=が送り出す
レイナデアルシーラ。交流重賞3勝を挙げた母アンデスクイーン、昨年の関東オークスを制した姉
アンデスビエント(4歳オープン)と、いずれも厩舎が手掛ける血統だ。トレーナーは「お母さん、初子も重賞を勝って、この子も重賞に出せる。本当にありがたいね」と感謝を口にする。
逃げ戦法で3連勝してオープン入り。「お母さんはおとなしかったけど、子どもはうなる感じ。この子はお姉ちゃんよりも筋肉が大きくて、たくましい」と頼もしそうに語る。馬の個性、適性を見極めることが大事という指揮官。
シルポート、
ハクサンムーン、
メイショウフンジンの名を挙げ、「特にウチは前に行く馬が多いでしょう。『近代競馬は、いかにロスなく運べるか』。24年間の騎手時代に教わった。調教師になってからも特に意識してきた部分だね」。同じく、その哲学を体現した一頭だ。
来年3月に定年引退を迎える。「残り4カ月。先は見ていない。一戦一戦が全力勝負だね」と万全の仕上げを約束する。「相手は強いけど自分の競馬ができれば」。勢いに乗る3歳牝馬が、ダート界の勢力図を塗り替えに行く。