2024年のRRCFINALに出場したブラストワンピース(c)netkeiba
引退競走馬の活躍の場として注目を集める「RRC(Retired Racehorse Cup)」。その決勝大会にあたる「RRC FINAL 2025」が、11月21日〜23日に三木ホースランドパークで、12月7日にJRA馬事公苑で開催される。JRAでの活躍馬も多く出場し、全国から精鋭が集う日を前に、大会委員長の細野茂之さんにお話を聞いた。(取材・文=netkeiba編集部)
今大会は
2018年に全国乗馬倶楽部振興協会によって創設され、引退馬のセカンドキャリア形成やリトレーニング技術の向上、乗馬愛好家の拡大を目的としてスタートした。出場資格は乗馬転向後からの年数で定められており、「RRCを卒業した馬が羽ばたいて、愛される余生を送ってほしい」という思いを明かした。過去には有馬記念覇者
ブラストワンピースや
ペルシアンナイトがFINALに出場。今年は予選で敗れたものの、
ディープボンドや
ゴールデンシックスティなど、競馬ファンにおなじみの名馬も参戦した。
“速く走る”競馬とは異なり、乗馬では競技ごとに求められるパフォーマンスが大きく変わり、それぞれに見どころがある。FINALは「優雅さと正確さ」が問われる馬場馬術、「飛越する勇気」が求められる障害馬術、そして自然の中を駆け抜け「馬場と障害の双方の資質が試される」総合馬術が行われる。採点方法もそれぞれ異なり、馬場馬術では3名の審査員が各10点満点で採点。障害馬術はバーを落としたり逃避した場合に減点されるシステムで、総合馬術は両方を行うため複合的な形式となっている。
現地で観戦する際のマナーについて尋ねると、「馬場馬術は集中力が求められる競技のため、演技中はできれば静かに。演技が終わるとライダーが“敬礼”をするので、そのタイミングで惜しみない拍手を送ってほしい」と話す。障害馬術では馬場ほど静粛さは求められないが、「鳴り物などはお控えいただければ」とコメント。また、近年増加しているカメラ撮影については「
フラッシュ撮影はお控えください」と呼びかけた。12月7日の馬場・障害馬術はnetkeiba公式YouTubeチャンネルでの生配信が予定されており、全国どこからでも楽しむことが出来る。
年々来場者も増え、注目度が高まっているRRC。競馬ファンの盛り上がりに「嬉しく思いますし、周知が広がることはとても励みになります。ぜひ観てください」と細野委員長。競馬と乗馬の架け橋となるこの大会は、今年も多くの感動を生むに違いない。