秋のマイル王決定戦、マイルCS。京都外回り1600mが舞台となり、
スピードだけでなくスタミナや総合力が問われる一戦だ。今年も各路線からGI馬を含む実力馬が集結し、激戦が予想される。過去のデータを紐解き、傾向を探っていく。
1.充実期を迎える4歳馬が中心的存在
過去10年のマイルCSでは、4歳馬が[4-5-4-32]と出走数こそ多いものの、複勝率28.9%と高い好走率を記録している。これは3歳馬の複勝率18.2%や5歳馬の14.8%を大きく上回る数値であり、充実期を迎えた馬が結果を出す傾向が強いことを示している。対照的に、7歳以上の馬は[0-0-0-15]と一度も馬券に絡んでおらず、複勝率は0%となっている。古馬の中でも4歳馬を軸に据え、高齢馬は割引くのが
セオリーと言えるだろう。
2.前走で惜敗した馬が巻き返す傾向
前走の着順別データを見ると、意外にも前走1着馬は複勝率26.5%にとどまっている。これに対し、前走2着だった馬は[3-3-1-16]で複勝率30.4%、前走3着だった馬は[2-3-2-12]で複勝率36.8%と、前走で惜敗した馬の方が高い好走率を誇る。特に前走3着馬は複勝回収率も93%と悪くない。一方で、前走で6着以下に敗れていた馬は[0-0-1-62]と、複勝率はわずか1.6%。大敗からの巻き返しは非常に困難であり、前走で掲示板を確保していることが好走の最低条件となる。
3.距離短縮で臨むローテーションに妙味あり
前走の距離別成績では、1800m以上のレースから臨む「今回短縮」組が注目に値する。短縮組は[3-4-6-40]で複勝率24.5%を記録している。これに対し、1400m以下から臨む「今回延長」組は複勝率14.6%、前走と同距離の1600m組も複勝率14.1%と、いずれも好走率が低い。マイルCSは中距離路線で培ったスタミナや底力が生きる舞台であり、距離短縮でマイルに適応してきた馬を重視すべきデータとなっている。
ラヴァンダは充実著しい4歳牝馬。前走アイルランドTを勝利し、勢いに乗ってここに臨む。データ分析からも、好走率の高い「4歳馬」であり、さらに「距離短縮」ローテーションと、複数の好走データに合致する。牝馬はやや苦戦傾向だが、それを補って余りある勢いと適性を持つ。京都コースでの実績もあり、ここでも主役の座は譲れない。