今週から中山、阪神、中京の開催がスタート。これで「2歳新馬」が終了となり、来年1月からは同じカテゴリーが「3歳新馬」となる。2歳が3歳になるのだから、当たり前と思われるかも知れないが、変わるのはレース名と年齢だけではない。
現在、2歳新馬の1着賞金は750万円。しかし、これが3歳新馬になると650万円になる。たかが100万、されど100万。今年の場合なら、新馬戦を12月28日と1月4日のたった1週間の差で100万円の違いになる。
使えるなら年内に使って欲しいオーナーサイドともう少し乗り込んだ方が良くなりそうという厩舎サイド。ドラマ「
ロイヤルファミリー」の一場面にもあったようなシーンが現実にも起こりえるということだ。
【12月6日(土) 阪神芝2000m】
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サガルマータ(牡、父
コントレイル、母コンヴィクションII、栗東・福永祐一厩舎)
2023年セレクトセール当歳にて、5億2000万円(税抜き)で落札された
コントレイル産駒。当時から多くの
メディアで取り上げられ、この世代で最も注目を集めた
コントレイル産駒といっても過言ではないだろう。半兄には芝で3勝を挙げた
レヴェッツァ(父
ドゥラメンテ)がいる。
本馬は栗東への入退厩を繰り返し、調整にはたっぷりと時間を費やされた。今回の入厩でもまだ時間がかかるかなという雰囲気もあったが、川田将雅騎手が跨った、CWでの1週前追い切りは古馬3勝クラスと新馬を追走して最先着。6F82.2秒、3F37.4秒、1F11.7秒をマーク。これでラスト1Fが11秒前半なら申し分ないところだったが、そのあたりは最終追いで更に良くなってくるのかも知れない。
【12月7日(日) 阪神芝1600m】
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ドヴィーグラン(牡、父
シュヴァルグラン、母カヴェルナ、栗東・友道康夫厩舎)
母カヴェルナは現役時代に佐々木主浩オーナーが所有し、友道康夫厩舎で管理されたが、競走馬としてターフを走ることはできなかった。ただ、母系には
ドゥラメンテの名もある血統で、繁殖として期待されている。
本馬はその四番仔となるのだが「今までの仔の中でも一番いいですね。体幹がしっかりしています」と友道康夫調教師。レースでも騎乗が予定されている鮫島克駿騎手が跨った、CWでの1週前追い切りでは古馬3勝クラス、2歳未勝利との3頭併せで最先着。6F87.5秒と全体時計は遅かったが、ラスト1Fは11.0秒。初めての併せ馬でこれだけ動けば上々だろう。
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アビラーシャ(牡、父
アドマイヤマーズ、母サンカルパII、栗東・武幸四郎厩舎)
2024年セレクトセール1歳にて8400万円(税抜き)で落札された
アドマイヤマーズ産駒。母はア
ルゼンチンのG1を勝っていて、
スワーヴリチャード産駒の半弟は今年のセレクトセール当歳にて、2億9000万円(税抜き)で落札された。
本馬は4月5日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ入厩。4月18日にゲート試験を合格しており、その後はノーザン
ファーム空港へ戻って再調整。9月10月にしがらきで乗り込み、10月31日に栗東へ再入厩しており、先週の1週前追い切りはDコース芝馬場で3歳未勝利と併せており、順調に追い切りを消化している。鞍上は団野大成騎手が予定されている。
【12月7日(日) 阪神ダート1800m】
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ドメイン(牡、父
リオンディーズ、母ラヴィアンフルール、栗東・松下武士厩舎)
半兄に松下武士厩舎で管理されているヘニーヒューズ産駒の
パーフェクトがいるが「兄は初戦からという感じではなく、使いつつ良くなっていくタイプ。未勝利を勝ち上がるのに6戦費やしましたが、まだこれから良くなっていきそう。タイプとしては兄に似ていますね」と松下武士調教師。
11月に栗東へ入厩してからの追い切りは順調に進められているが、確かに坂路での時計は目立つほどではない。ただ、ここまでスムーズに調整できている点は強調できる。鞍上は松若風馬騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)