重賞馬不在の混戦を断ったヒシアマゾン(c)netkeiba
今年の阪神ジュベナイルフィリーズ(2歳牝・GI・芝1600m)は重賞勝ち馬がおらず、いかにも混戦ムードが漂っている。JRAのGIレースで重賞馬が不在なのは、実に28年ぶりのことだ。
有力馬の故障、回避があったとはいえ、2歳重賞が充実した現在では、なかなか珍しい出来事。過去の同事例を調べてみると、
グレード制導入以降では84、87、88年の朝日杯3歳S。84年の阪神3歳S、93、97年の阪神3歳牝馬Sといった例があった。
84年の朝日杯3歳Sは新馬、寒菊賞を連勝したサクラサニーオーが支持を集めたが、同じくデビュー2連勝を飾っていたスクラムダイナが制した。87年はわずかに6頭立てで、サクラチヨノオーと
ツジノショウグンが2頭で終始競り合う恰好となったが、最後はわずかにクビ差で前者に軍配。翌年の同レースも少頭数となり出走9頭となったが、今度は主役不在ではなく1強ムードで、新馬と府中3歳Sを連勝していたサクラホクトオーが、単勝1.3倍の圧倒的な支持に応えている。
84年の阪神3歳Sは中心と目されていた
ニシノバルカンが競走中止で、2番人気の
ダイゴトツゲキが無敗戴冠。93年の阪神3歳牝馬Sは
シスターソノが1番人気に推されたものの、単勝4.1倍が示すように混戦模様となったが、終わってみれば
ヒシアマゾンが5馬身差の圧勝を飾った。97年の一戦は7番人気の
アインブライドが制覇。デビュー2年目の若武者、古川吉洋騎手にとって、初の重賞勝ちが
ビッグタイトルとなった。
今年の阪神JFは重賞ウイナーこそ居ないが、オークス馬の仔
アランカール、新馬と白菊賞を連勝中の
マーゴットラヴミー、サフラン賞を快勝した
アルバンヌなど、楽しみな素質馬が揃っている。まだら模様の2歳女王決定戦は、どんな結末を迎えるだろうか。