14日に阪神競馬場で行われる阪神ジュベナイルフィリーズ(2歳・牝・GI・阪神芝1600m)。
28年ぶりに重賞勝ち馬が出走せず混戦模様の2歳女王決定戦を、若手の実力派予想家のこうせい氏に展望してもらった。(文=こうせい)
■レースの特徴
阪神JFは、短距離色が強い逃げ・先行馬が出走する関係に伴い、前半流れてコーナー区間で緩み、上がり3F質の直線力勝負がテンプレ。基本はクラシックの王道路線を歩むような後半力に優れる差し馬が好走しやすいレース(≒【先行負荷大・差し負荷小】の外差し決着となりやすい)である。
一方で、阪神の馬場が高速化した2019年以降は、馬群が伸びた状態で直線を迎えてラスト1Fの減速率も抑えられるレース展開が増加した。これにより、以前のような外を回して豪快に差し切るようなタイプでは間に合わず、流れに乗せながら立ち回れるタイプの好走が目立っている。後半力が高い馬を狙うという前提は変わらない中で、高速巡行質の流れでも脚を削られないで直線を迎えられる優位性に重きを置いて攻略したい。
■人気馬評価
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アランカール(1人気想定)
母シンハライト譲りのセンスの高さを感じ、ポテンシャルに関しては過去のクラシックホースに対しても引けを取らない逸材として高く評価している。能力的には勝ち負け濃厚とみている中で、多頭数競馬に転じて一気にポジションを落としてしまう懸念は残している。近年のレースイメージだと踏み遅れて届かない世界線は想定しておきたい。
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マーゴットラヴミー(2人気想定)
新馬戦では巡行ペースが引き上がった中で直線でも11.1→11.2を踏んだ圧巻のレコード勝ち。前走の白菊賞含めて時計証明は申し分ない一方で、頭が高い走法が特徴的で内回り向きであることは確かだろう。大箱の阪神外回りに転じるのは歓迎ではないため、好走するためには内枠が必至にはなるとみている(編注:執筆後、4枠7番に決定)。
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アルバンヌ(3人気想定)
父
アドマイヤマーズで、父系にダイワメジャー×母系にSadler's WellsとDanzigを持つ血統構成は、過去に阪神JFを制した
メジャーエンブレム、
レシステンシア、
アスコリピチェーノと同じで、所謂ニックスと呼べる配合パターンである。加えて高速巡行質の競馬を好むタイプが多い田中博厩舎所属となれば、条件としては
ドンピシャに近いと言えるだろう。ス
トライドの広さを見ても阪神外回りの方が合いそうで、プロ
フィールだけなら上位争いを演じられる筆頭格として評価したい。
なお、当記事は枠順確定前での想定になります。最終結論につきましてはnetkeibaウマい馬券にて公開いたしますので、そちらからご確認ください。