「第42回函館2歳S・GIII」(芝1200m)は8日、函館9Rに13頭で争われ、好位を追走した2番人気の
マジカルポケットが、直線で先頭に立った1番人気の
マイネショコラーデ(2着)を、ゴール前で鼻差捕らえ、1分11秒2のタイムで世代最初の重賞ウイナーに輝いた。3着は1馬身半差で
ルリニガナが入った。
スタートは五分。しかし、安藤勝は手綱を押さえた。「行かせれば(ハナに)行けたけど、きょうは前に馬を置く競馬をしようと思っていた。頭が良くて乗りやすい。すごくいい子だよ」。パートナーの潜在能力を理解しているからこその騎乗法。逃げ切った初戦から一転、与えた課題を難なくクリアした。「和田君(
マイネショコラーデ)のムチを怖がって、ちょっとちゅうちょした。でも、ラストは伸びてくれたし、勝てて良かったよ」。函館ラストの重賞を勝利で飾ったベテランは、笑顔で汗をぬぐった。
ここまで決して順調ではなかった。1週前に歩様が乱れ、追い切りを1日ずらした。領家師は「うまくケアできたからね。体が増えていた?(プラス12キロ)この血統はどんどん成長するんだよ」とアク
シデントの影響をキッパリと打ち消す。7日、新潟6Rの
ユキノサイレンスで、JRA通算700勝を達成した指揮官にとって最高の週末となった。
このあとは1週間ほど函館に滞在し、疲れを癒やす。「次走は未定。肩の出が硬いのが欠点だけど、成長したら距離も持つようになるよ。性格がいいしね」。北の大地から、夢は無限に広がっていく。
提供:デイリースポーツ