父子制覇に向けて視界は良好だ。フジキセキ産駒の{horse=2008102652:サダムパテック}が、栗東坂路で躍動した。僚馬エイシンタイガー(4歳オープン)と馬体を併せ、序盤から軽快なフットワークで登坂。肩ムチを合図に反応よく伸びて並入し、4F53.3-38.4-12.5秒を計時した。
またがった酒井(レースはスミヨン)は「タイムは1週前(4F53.2秒)と変わらないが、今回はテンから丁寧に行けたし、最後の反応も良かった。内容的に今回の方がいい」と好ジャッジだ。
父は直線での爆発力を武器に朝日杯3歳S(朝日杯FSの前身)を制し、4戦無敗で引退した?幻の3冠馬?。2歳王者は輩出していないが、パテックにはこれまでの産駒とは明らかに違う部分がある。「産駒特有のうるささがない。おとなしくてのんびりしている。人間には従順で、馬にだけ闘争心を燃やす」と西園師は話す。
父が現役時代に見せた爆発力はそのまま受け継ぎ、気持ちのオン・オフを巧みに使い分ける?いいとこ取り?の2歳馬。指揮官が早くも来春のクラシック戦線に向けて鼻息荒くなるのも無理はない。「これほどの馬には出会ったことがないよ。ここで結果を出して、来春に向けて休ませたい」。産駒初の2歳王者を事もなげに成し遂げ、父の描いた夢の続きを見る。
提供:デイリースポーツ