オークス出走にこだわったのには理由がある。「去年のサンテミリオンもデビュー時から長い距離を意識したけど、ピュアブリーゼはこの血統だからこそ、この距離を走らせたかったんだ」と古賀慎師は力説する。
現在、日本で唯一登録されているモンズーン産駒。その父は93年にドイツの年度代表馬に輝き、種牡馬としても02、04、06年と3度、同国でリーディングサイアーを獲得した。さらに、母の父は凱旋門勝馬パントレセレブル。欧州の長距離血統を受け継ぐ背景からも、確かにクラシックディスタンスはマッチする。
レースぶりも血統通りだ。「開幕週だったし、持ち前の“しぶとさ”を生かすために前々の競馬をしてもらった」。指揮官がこう振り返る前走は早め先頭からゴール寸前まで粘って3着。正攻法の競馬で権利をもぎとったのだから価値がある。
「血統だけでなく、折り合いの面からも距離が延びるのはいい。何とか目標のレースに滑り込めたしね」。1年前のサンテミリオンはアパパネとのたたき合いの末に、根性で同着に持ち込んだ。ブリーゼの持ち味を生かし切れれば、厩舎の樫連覇も夢ではない。
提供:デイリースポーツ