9日、雨の東京競馬場で行われたNHKマイルC(G1・芝1600m)は、好スタートの3番人気メイショウボーラーをタイキバカラが掛かり気味に交わし、1000m通過が57.8秒のハイペース。直線に入ると中団を進んだ4番人気コスモサンビームが先頭に立ったものの、道中、同馬のさらに後ろに位置していた安藤勝己騎手騎乗の1番人気キングカメハメハ(牡3、栗東・松田国英厩舎)が大外に持ち出すと上がり3f34秒0の鋭い伸びで後続を一気に突き放し、コスモサンビームに5馬身差をつけ圧勝。勝ち時計は1分32秒5(良)で、第1回の96年にタイキフォーチュンがマークした1分32秒6を0.1秒破るレースレコード。着差の5馬身は、97年シーキングザパール、98年エルコンドルパサー、02年のテレグノシスが記録した1.3/4馬身を大きく上回るレース史上最大着差。さらに1.3/4馬身差の3着はメイショウボーラー。僅差の2番人気に支持され、母仔制覇がかかったシーキングザダイヤは中団より前からの競馬で、見せ場なく勝ち馬から1秒6差の7着に敗れた。
勝ったキングカメハメハは、父Kingmambo、母マンファス(その父ラストタイクーン)という血統で、半兄には00年サンタアニタダービー(米G1)を制したザデピュティ The Deputy(牡7、父Petardia)がいる。Kingmambo産駒は98年のエルコンドルパサー以来の同レース2勝目。日本のG1はスターキングマン(東京大賞典-交流G1)に続き3頭目になる。同馬は、03年11月に京都(芝1800m)でデビューし初勝利。その後エリカ賞(500万下・芝2000m)を勝ちデビューから2連勝したが、続く京成杯(G3)で3着。その後は阪神ですみれS(OP・芝2200m)、毎日杯(G3・芝2000m)と連勝、G1初挑戦での初制覇となった。通算成績は6戦5勝(うち重賞2勝)。毎日杯をステップにこのレースを制したのは96年タイキフォーチュン(1着)、01年クロフネ(1着)、03年ウインクリューガー(8着)に続き3頭目。
鞍上の安藤勝己騎手は同レース初制覇。重賞通算25勝目で、うちG1は03年高松宮記念のビリーヴ、菊花賞のザッツザプレンティ、04年フェブラリーSのアドマイヤドンに続いての勝利で4勝目。管理する松田国英調教師は01年のクロフネで同レースを勝利しており、重賞通算29勝。うちJRA・G1は01年NHKマイルC、ジャパンCダートのクロフネ、02年日本ダービーのタニノギムレット以来の4勝目となった。
馬主の金子真人氏は同じく松田国英師とのコンビとなるクロフネに続く2勝目。生産者のノーザンファームはフェブラリーSのアドマイヤドンに続き今年のG1・2勝目。桜花賞(ダンスインザムード)、皐月賞(ダイワメジャー)、天皇賞・春(イングランディーレ)の社台ファーム3連勝に続き、社台グループはG1・4連勝となった。
※結果は主催者発行のものと照合してください。