エリザベス女王杯を制したスノーフェアリー(手前)、奥は2着のアヴェンチュラ、左は3着のアパパネ=京都競馬場
「第36回エリザベス女王杯・GI」(芝2200m)は13日、京都11Rに18頭で争われ、後方を追走した英国のスノーフェアリーが、残り1Fから強烈な決め手を発揮して差し切り勝ち。1番人気に応えて連覇を達成した。勝ちタイムは2分11秒6。秋華賞馬のアヴェンチュラ(2番人気)が中団追走からよく伸びて2着。牝馬GI完全制覇を狙ったアパパネ(4番人気)が3着に入った。
今年も淀に“雪の妖精”が舞い降りた。史上初の外国馬による同一平地GI連覇達成。偉業を成し遂げたムーアは、馬から降りるとダンロップ師とガッチリ抱擁。大きな体の師の向こうに咲いた満面の笑みが、喜びの大きさを物語っていた。「非常に素直でタフな馬。いつも全力を出してくれる。彼女が一番強いと信じて乗った。本当にスペシャルな馬です」。
大外枠からスタートをややもぐり気味に出ると、外めの後方を追走。鞍上は「前めの位置をと思っていたが、思ったよりペースが速かった」と見るや、そのまま後方待機策に切り替えた。向正面から徐々に進路を内めに取ると、直線は独壇場。右ステッキに応え、一頭だけ早送りのような強烈な末脚を駆使し、昨年同様に内を突き抜けた。
それでも、鞍上が「勝った後もタンクにガスが残っている状態」と言うから、その強さはもはや別次元だった。登録しているジャパンC(27日・東京)への参戦について、クーパーレーシングマネジャーは「体調を見て今週中には決めたい」と明言を避けたが、前人未踏のエリザベス女王杯3連覇挑戦に関しては「YES。可能性はある」と言い切った。今年も日本の地に刻んだ“雪の妖精伝説第2章”。その美しいストーリーは、まだ終わることはない。
提供:デイリースポーツ