有馬記念の最終追い切りを迎えた今朝の栗東トレセン。調教馬場開門直後にCWでは昨年の覇者ヴィクトワールピサや前走JC優勝のブエナビスタ、そして坂路では三冠馬オルフェーヴルなど有力馬が次々に追い切られて、報道陣は取材のために右往左往。騒がしい雰囲気がいかにも混戦の有馬記念を象徴しているようだった。
そんな前半の時間帯から一転して落ち着いた10時すぎに坂路で追い切られたのが春のグランプリホース、アーネストリー。
佐藤哲三騎手が跨って単走。最初の1F目はゆったりした入りに見えたものの、実際のラップは13.9秒と速め。そこから12秒台で加速して、最後は13.0秒を要したが、ゴール手前では手綱を緩めていたので、この時計には納得。なにより1週前追い切りでは少しもたれるような仕草を見せていたのが、今回は真一文字に駆け上がってきたところが評価できる。
春秋グランプリ制覇へ向けて視界良好となったアーネストリーだが「今週はアーネストリー以外にも粒が揃ったね」と言いながら、自厩舎の各馬の追い切りに「よしよし」と満足な表情を見せるのが佐々木晶三調教師。
その中の一頭が5月の未勝利1着以降、休養に入っていたニザエモン。今朝の最終追い切りは坂路4F53.4〜1F12.3秒と終いがしっかりした動き。「やっぱり動くね」と師もあらためてスピード能力の高さを認識した様子。
また担当する高木助手も「痛いところもなくなってきて、初戦から動けると思います」と状態には自信を見せており、予定されている12月25日(日)3歳上500万下の阪神ダート1200mでの走りが楽しみになってきた。
また当日のパドックでは同助手が特注したメンコを着用するそうなので、そちらにも注目していただきたい。
あとは12月24日(土)3歳上500万下の小倉芝1200mを予定しているハンターワディも坂路で絶好の動きを見せており、馬券的に注目だろう。[取材:井内利彰]