実りある秋へ!CWコースで抜群の動きを見せたヴィルシーナ(撮影:井内利彰)
18日は一時的な豪雨となった栗東だが、その後は晴天が続いた。雨が降れば、すぐに時計の掛かる馬場になるというのは、少し前のウッドチップ馬場。今は排水がしっかりされているのだろう。またウッドチップ自体も、粉々にはならずにクッション性を保っているのではないだろうか。
【坂路/4F51.9秒】
22日の一番時計はフィールグリュックの4F50.0秒。この日は4F51秒の馬が8頭。テンから飛ばしていく馬が多く、先週よりも4F時計が速くなった形。テンを飛ばした組はラストで12秒後半から13秒掛かっているので、そこまで速い馬場ではないだろう。
そんな中、圧巻だったのはロードカナロア(栗東・安田隆行厩舎)。4F50.2〜3F36.2〜2F23.2〜1F11.5秒。ラスト2Fを11.7〜11.5秒と12秒を切りながら加速ラップで駆け上がるなんて強烈。ただ安田隆行調教師は「最後は反応するように促した程度。余力は十分でしたね。確かにすごい時計ですが、坂路を駆け上がるのが上手なんでしょう。坂路だけだと、馬自身の調子を見極めるのが難しいので、来週はCWで追い切ってみます」ということだった。
今週を見るかぎり、先週の馬場差を0.0秒でつけて正解。今週は先週より少し走りやすい馬場になったと解釈してよいだろう。よって今週の馬場差は『-0.3秒』で観測している。
【CW/5F66.5秒】
相変わらず走りやすいのがCW。正味5Fの追い切りとなれば、ニシノモレッタ(栗東・北出成人厩舎)が22日に5F62.7秒をマークしたように、いくらでも速い数字を出すことができる感じ。
それを考慮しても「いい動きするなあ」と感心したのがヴィルシーナ(栗東・友道康夫厩舎)。今朝は3頭併せの先頭、後続にマーティンボロ、フェニックスソードを引き連れていたが、直線では大外で後続2頭を待つ形。しかしある程度のペースで行ったこともあり、2頭の脚色は決して良くない。ラスト1F地点は完全にヴィルシーナが楽。最後まで後続に抜かれることはなかった。
時計は6F83.7〜5F68.5〜4F53.6〜3F38.6〜1F11.8秒だったが、数字以上に評価したい動き。騎乗していた安田晋司調教助手は「最後は後ろを待って併入したかったんですが」と反省の弁だったが、それだけ馬自身が走る気になっているということ。調教後の様子を見ても平然としており、このまま順調なら実りある秋となりそうだ。
今週は少し雨の影響を受けた先週より速い時計が出ているので、馬場差は22日、23日とも先々週と同じ『-1.0秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒】
雨の影響がなく、坂路とCWの追い切り頭数が平均的だったため、DPもいつも通り、40頭そこそこという追い切り頭数になった。
馬場の状態は大きな変化はなし。馬券的に気になるのは、先週の小倉競馬で最終追い切りDPの馬が好走していた点。ウッドチップ馬場に比べて、負荷が軽い馬場だけに、疲労を残さない調教が結果的に功を奏しているのかも知れない。
なお馬場差は22日、23日とも、先週と同じ『-0.5秒』とした。(取材:井内利彰)
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。