しばらく標準的な時計の出る馬場だったが、今週は13日深夜から未明にかけて降った雨が大きくに影響。ウッドチップ馬場は軒並み時計の掛かる状態になり、特に坂路馬場では傾斜がきつくなるゴール前1Fで脚が止まる馬も続出した。
【坂路/4F51.9秒】
冒頭にも記したように、今週の坂路は最近になかったほどの時計の掛かりよう。一番時計こそ、
エーシンヴァーゴウ(栗東・小崎憲厩舎)の4F51.4秒という数字があったが、二番時計になると4F52.2秒とかなり遅くなっている。また、ラスト1Fの最速が12.5秒だったように、ゴール前は特に馬場が深いのか、軽快に駆け上がるという馬が本当に少なかった。
時計的には4F55.8〜1F13.5秒と目立たなかったものの、素軽い走りが目についたのは
クラレント(栗東・橋口弘次郎厩舎)。
コーダリーとの併せ馬だったが、ラスト1F手前で脚色一杯になる相手に対して、終始楽な手応え。軽く仕掛けると、即座に相手を突き放して大差の先着。前走勝った勢いを継続している感じなので、今週出走予定のキャピタルSでの走りが楽しみ。
先週の馬場差は「+0.6秒」だったが、今週は雨の影響も受けて大幅に時計の掛かる馬場にシフト。21日、22日ともに『+1.6秒』で観測した。
【CW/5F66.5秒】
雨が降っても時計の出方に大きな変化のないCコースだったが、さすがに今週は時計を要する馬が続出。テンから飛ばして、7Fから時計になった
エスポワールシチー(栗東・安達昭夫厩舎)が6F78秒台の一番時計をマークしているが、基本的には時計の掛かる馬場であることは間違いない。
22日にJCDの1週前追い切りを行った
トゥザグローリー(栗東・池江泰寿厩舎)。開門直後から数分経ってからの入場となったが、
フォゲッタブル、
オーシャンブルーと順で進む最後方からの追走。
リラックスした走りで道中を進めて、直線は最内に進路をとって、前2頭に並びかけていった。
持ったままで並ぶと、その後も手応えは終始楽。1週前追い切りの動きは悪くなかったものの、それと比べても確実に良化している感じで、追われないと伸びなかった天皇賞秋時とは前向きさが違ってきたように思う。時計の6F83.2〜5F67.5〜4F52.8〜3F38.9〜1F12.0秒以上に、その動きの良さが伝わってくる、そんな追い切りだった。
なお今週の馬場差は21日、22日とも先週より時計の掛かる『-0.5秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒】
ウッドチップ馬場の状態が悪かったこともあり、ここ数週と比較して追い切り頭数が増加。しっかりと追い切りたい馬が集まったこともあり、馬なりで流すというよりも、ゴール前一杯に追ってくる馬が多かったのは今週の特徴だろう。
JCDの1週前追い切りとなった
ナムラタイタン(栗東・大橋勇樹厩舎)もそんな中の1頭。6F77.1〜5F63.1〜4F49.3〜3F36.0〜1F11.7秒と時計は速かったが、同馬にとっては標準的な数字。特に目立つ動きというわけではなかったが、距離が1800mになる今回はこのくらい、ゆったりした走りの方がいいのかも知れない。
今週の馬場差は先週とほぼ変わりなく、21日、22日ともに『-0.5秒』で観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)