末脚の力強さが出来の良さを物語っていた。
グレープブランデーの最終追い切りは、栗東坂路での併せ馬。序盤は僚馬
ウォーターデューク(4歳500万下)の後ろでじっくり脚をためると、ラスト1F手前でこれをかわしにかかる。鞍上の
ゴーサインに鋭く反応すると、豪快なフットワークで一気に置き去り。4F56秒4-40秒0-12秒6のタイムで、最後は1秒1ぶっちぎった。
馬場状態を考慮しての木曜追いとなったが、この日の坂路も前日に続いて力のいる馬場状態。そんな悪条件をモノともしない上がり12秒6の伸び脚は、ラスト1Fとしては全体で2番目の好時計と目を引くものだ。見届けた安田師も「テンをセーブしているので動いた分もあるけど、変わりなく順調に来ていますね。体調はここ最近で一番だと思いますよ」と状態面に太鼓判を押す。
昨年は交流GIのジャパンダートダービーを制し、ダート界の新星となるはずだったが、秋の始動戦に予定していたみやこSを前に、右前脚の蹄骨を骨折。約10か月にも及ぶ休養を余儀なくされた。復帰後は使いつつ調子を上げ、賞金決定順のラスト16番目で、ようやく念願の大舞台へとたどり着いた。
「1年遅れのジャパンCダートですね。昨年も出したかったレース。ギリギリでも入って良かった。57キロになるのも、この馬にはいいですからね」と師も力が入る。復調した素質馬が、中央GI初Vでその真価を証明してみせる。
提供:デイリースポーツ