今週のピックアップステーブルは野中賢二厩舎。愛知杯に続く、重賞連勝を狙うのが、京都牝馬Sに出走する
エーシンメンフィス。個人的に馬券的妙味を感じている
フィルハーマジック、そして来週の根岸Sの出走を予定している
エーシンウェズンに、
ピクシープリンセスの次走について、野中賢二調教師にお話しを伺いました。(取材・写真:井内利彰)
1月19日(土)京都11R 京都牝馬Sに出走予定の【
エーシンメンフィス】について
―前走愛知杯の振り返っていただきたいのですが、レース前から「いろんな意味での楽しみがある」とコメントをいただいていました。
勝つんなら、ああいうレースになるのかなというイメージでしたからね。レース前にはジョッキーと『ハナにこだわらないで、この馬のリズムで走らせてあげよう』と話していました。2走前は不良馬場で勝って、フロック視されていましたが、スッーと速い脚が使える長所がありますから。今回も本当に楽しみですよ。
―今回の最終追い切りの動き。前走時の動きが素晴らしかっただけに、今回の坂路での動き(併せ遅れ)が気になってしまうのですが?
併せた
エーシンゴールドはおじにTapit(日本での代表産駒には2012年フェブラリーSを勝った
テスタマッタ)がいる血統。これから完成していく馬ですが、それだけの素質馬なので、動いても不思議ありません。追い切った時間を考えると、4F52.8〜1F13.2秒という時計は速いと思います。前走はCWで追い切りましたが、CWで追い切る目的と坂路で追い切るで目的は違うので、今回は1600mを使うにあたって、坂路で追い切ったので、その目的に合った調教ができたので、遅れたということは全く気になりません。
1月21日(月)中山9R 成田特別に出走予定の【
フィルハーマジック】について
―まずは前走グッドラックハンデから振り返っていただけますか?
ワンペースで走り続けて、他馬がバテるところを辛抱するのが得意な馬なので、自分のリズムで走れず、嫌なところに入ってしまった前走はこの馬が惨敗するパターンだったと思います。
―だからダートの長距離線戦は得意なんですね。
消耗戦が得意なので、我慢比べになりやすいダートの長距離戦は向いているんでしょう。
―最終追い切りの動きを含めて、今回の展望をお願いします。
今週の追い切りは6F手前から速いペースで進めたので、終いは鋭く伸びるという感じではありませんでしたが、よく我慢してくれました。鞍上の宮崎北斗騎手も、この馬のことをよく分かってくれていますし、自分の競馬ができれば、いい結果が出るんじゃないかと思います。
1月27日(日)東京11R 根岸Sに出走予定の【
エーシンウェズン】について
―前走、中山ダート1200mで行われたカペラSは2着でした。
競馬場も距離もタイプ的に合う感じではない条件。スタートも得意なタイプではないので、レースの流れに乗り切れなければ、という不安もありました。案の定、スタートでは少し遅れて、前半は中団よりやや後ろの位置取り。コーナーでいかに加速できるかが、この馬の好走の鍵だと思っていたので、今日は厳しいかなという感じ。けど、馬群に包まれながらもスペースを探して、
スピードに乗り、直線でも狭いところを割って伸びてくれました。あの走りを見て、やっぱり充実しているんだなあと思いましたね。
―馬体重を12キロ減らしたオアシスSが6着に負けて、休養明け霜月Sが16キロ増、カペラSが4キロ増と、遠征があるにも関わらず馬体重を増やし続けている点も、充実しているからでしょうか?
そうですね。普段は大人しいけど、ゲートの中ではそわそわしたり、関東圏への輸送が良くなかったりしました。でも、それも以前の話で、今は輸送しても体は減りませんし、本当に充実してきました。
―年明けから毎週1本、併せ馬で坂路4F53秒台を出し続けて、根岸Sへ向けて入念な仕上げですね?
どうしてもフェブラリーSの舞台に立たせてあげたい馬。だけど、今の賞金だと、出走は難しいでしょう。そうなると、是が非でも根岸Sを勝って、フェブラリーSというローテーションになります。そのためにこの中間もしっかりと造っている、それが表れている調教内容ということですね。
2012年エリザベス女王杯3着だった【
ピクシープリンセス】について
―前走愛知杯(6着)後も栗東に在厩していますが、次走についてはどのようにお考えですか?
距離は短いと思うのですが、牝馬ですし、春の最大目標はヴィクトリアMになるかと思います。そのレースに向けて、適性を見る上で、同じ東京芝1600mで行われる初音S(2月16日)を使ったみたいと思います。結果はもちろんですが、どのようなレースをしてくれるか、その内容に注目したいと思っています。