阪神大賞典で今年の初陣を迎えるゴールドシップ(写真は2012年有馬記念、撮影:下野雄規)
今週末、中央競馬の重賞レースは、17日(日)に阪神で昨年のクラシック2冠と有馬記念を制したゴールドシップ(牡4、栗東・須貝尚介厩舎)が今年の初陣を迎える阪神大賞典、同日の中山では、皐月賞トライアル・スプリングS。また、前日の16日(土)は3歳重賞が2鞍あり、中京では短距離重賞のファルコンS、中山で牝馬中距離重賞フラワーCが行われる。各レースに出走を予定している、主な有力馬は以下の通り。
■3/17(日) 阪神大賞典(4歳上・GII・阪神芝3000m)
ゴールドシップ(牡4、栗東・須貝尚介厩舎)は、昨年の最優秀3歳牡馬のタイトルを獲得し、実績・力量ともに圧倒的に抜けた存在。最大でも10頭立て、57キロと条件は悪くないだけに、天皇賞・春へ向けても確実な勝利が求められる一戦となる。
ベールドインパクト(牡4、栗東・大久保龍志厩舎)は、昨年の菊花賞4着馬。前走・京都記念で2着と、ここへきて安定して力を出せるようになってきた。このレースでは、当面の対抗格か。
デスペラード(牡4、栗東・安達昭夫厩舎)は、昨秋の芝路線転向後、ステイヤーズSで3着、前走・京都3000mの万葉Sでは外枠の不利を克服して差し切り勝ちを収めた。目下の充実ぶりを、強豪相手にも見せられるか。
その他、2010年優勝馬で、2006年にはディープインパクトを相手に2着としている、大ベテラン・トウカイトリック(牡11、栗東・野中賢二厩舎)も、8年連続8度目の出走構え。発走は15時35分。
■3/17(日) スプリングS(3歳・GII・中山芝1800m)
ロゴタイプ(牡3、美浦・田中剛厩舎)は、昨年の朝日杯FSの優勝馬。当時無敗で断然人気のコディーノを破る大金星を挙げた。明け3歳での緒戦は一転追われる立場になるが、皐月賞へ向けての中山1800mでも同じように力を発揮できるかが鍵となる。
フェイムゲーム(牡3、美浦・宗像義忠厩舎)は、未勝利勝ちの直後の前走・京成杯を鮮やかに差し切って重賞制覇。ここまでは、主に中山コースで力を発揮してきただけに、引き続き有力視される。
アクションスター(牡3、栗東・音無秀孝厩舎)は、その京成杯の2着馬。当時は荒天で順延となった中での強行軍にありながら、持てる力を存分に発揮して好走した。賞金・ローテーションに余裕があるここは、本番の権利を着実に狙う。
タマモベストプレイ(牡3、栗東・南井克巳厩舎)は、シンザン記念で3着としたあと、距離不安も囁かれた・きさらぎ賞を2番手追走から堂々押し切って重賞初勝利。ここは前走ほどは楽に運べない可能性もあるが、堅実な走りは引き続き軽視禁物。
マズルファイヤー(牡3、栗東・大久保龍志厩舎)は、ホワイトマズル産駒の逃げ・先行馬。展開のアヤを絶妙に突く独特の先行策で、未勝利戦圧勝、きさらぎ賞でも2着と力を発揮してきた。前日阪神の若葉Sとのダブル登録だが、こちらに回るようならレース展開も予想も、より一層楽しみが増えること請け合い。
その他、ディープインパクト産駒でサンカルロの弟・ヘルデンテノール(牡3、美浦・大久保洋吉厩舎)や、5戦目で未勝利勝ちを収め、500万はあっさりと1戦で突破したシンネン(牡3、栗東・浅見秀一厩舎)など、皐月賞への切符3枚を懸けて21頭がスタンバイ。発走は、阪神大賞典から10分後の15時45分。
■3/16(土) ファルコンS(3歳・GIII・中京芝1400m)
ティーハーフ(牡3、栗東・西浦勝一厩舎)は、朝日杯FSで5着としたあと、年明け緒戦の前走・クロッカスSでは1番人気に推されるも、追い上げ届かずの3着。東京コースよりは断然力の要る中京の馬場で、着実な賞金加算を目論む。
プレイズエターナル(牡3、栗東・安田隆行厩舎)は、前走・クロッカスSで2番人気に推され、3着馬と同じく差して届かずの4着まで。デビューから4戦は全てメンバー中1番の末脚を見せており、叩き2走目の中京で食い込みを狙う。
ディアセルヴィス(牡3、美浦・高橋裕厩舎)は、年明けは、ジュニアC・5着、前走・クロッカスSで6番人気2着と着実に上昇ムードに乗っている。重賞挑戦でも、引き続き侮れない存在となりそうだ。
モグモグパクパク(牡3、美浦・高橋祥泰厩舎)は、年末の中山芝1200mで500万・OPでは中団に控え、最後の直線で先行馬を一気に呑み込む差し切り勝ちで2連勝。コース替わりと距離延長は課題も、急坂のある条件であればチャンスは十分。
インパルスヒーロー(牡3、美浦・国枝栄厩舎)は、未勝利・500万と東京芝1400mで2連勝。デビューからゆとりのあるローテーションで結果を残してきた。3歳戦で絶好調の国枝厩舎だけに、重賞挑戦でも上位進出を狙う。
その他、前走・アーリントC3着で賞金加算ならずのレッドアリオン(牡3、栗東・橋口弘次郎厩舎)や、マイル路線に転向の近2走で再び常識にかかってきたタガノトネール(牡3、栗東・鮫島一歩厩舎)など、一癖ある中京コースで3歳マイラー・スプリンターが入り混じって激戦必至。発走は土曜の15時25分。
■3/16(土) フラワーC(3歳・牝・GIII・中山芝1800m)
カラフルブラッサム(牝3、栗東・鈴木孝志厩舎)は、暮れの阪神JF5着馬。自己条件に回った牡馬が相手の前走・ビオラ賞では1番人気に推されるも2着。それでも、3着以下には3馬身差をつけているだけに、大半が1勝馬でメンバーが手薄なここなら主役候補。
サクラプレジール(牝3、美浦・尾関知人厩舎)は、前走・東京芝1600mの新馬戦を、殆ど持ったまんまの手応えで完勝。コース替わりで今回は同様の形は求め辛いが、秘めた素質は上位の存在。
ブリリアントアスク(牝3、美浦・伊藤正徳厩舎)は、3歳春にしてキャリア10走を誇るが、牡馬混合の前走・黄梅賞ではゴール前で末脚光る4着。非常にタフなコンディションにある、今季の芝向きの走りを見せた。展開面の助けは必要も、この相手で上位争いの一角を狙う。
ダイワポライト(牝3、美浦・浅野洋一郎厩舎)は、開幕初日の500万・芝1800mで後方から追い上げて3着。追込み一辺倒で安定感には欠けるが、ここでも軽視禁物の末脚を誇る。
前走は阪神で牡馬を相手に2着としたセトノフラッパー(牝3、栗東・南井克巳厩舎)や、1月の中山芝2000mの未勝利戦で1着のエバーブロッサム(牝3、美浦・堀宣行厩舎)など、1勝馬17頭が抽選対象となって大混戦ムードの18頭が特別登録。発走は土曜の15時45分。