水気を含んだ重いチップをモノともせず、活気あふれるフットワークを見せつけた。酒井(レースは武豊)を背に、クロフネサプライズは栗東坂路で最終リハ。先行するツカサリバティー(3歳未勝利)に馬なりで並びかけると、ラストも余力十分の脚勢で突き放して、2馬身半の先着を決めた。
タイムは4F54秒4-40秒0-13秒1。田所師は「良かった。タイム的にも想像以上」と納得の表情を浮かべる。2週連続で調教をつけた酒井も「残り100mまで(馬体を)並べて、最後も相手を離す気持ちがあるかどうかを確かめたかった。先週の時点でも仕上がっていたが、さらにいい」と上昇気配を漂わせる動きに合格点を与えた。
94年にオグリローマンを桜花賞馬に導いた武豊が、19年の時を経て再び巡り会った芦毛の素質馬。「阪神外回りは差し、追い込みが有利だが、そこで2回先行して結果を出していますからね。楽しみ」と名手は腕をぶす。もうサプライズとは言わせない。女王の座を射止めるだけだ。
提供:デイリースポーツ