悲願のGIタイトルを目指すサンカルロは今週も坂路コースでの調整。いつものように馬場整備の時間を挟んで3度コースを駆け上がった。3回目にはミヤビリファインを先行させてそれを追う形で外から楽に交わしてのフィニッシュ。いつも通りの好調教をみせた。
調教後の会見でのやりとりは以下のとおり。
●サンカルロ(吉田豊騎手)
◎デビューから手綱を取ってきて最近になっての変化は感じますか?
・いえ、特に状態の浮き沈みする馬ではないので。毎回、休み明けでも仕上がりはいいですし、そういうところで苦労することはないですね。
◎もう7歳ですね。
・そうですね。本当に早い時期から頑張ってきてくれていると思います。
◎まだまだ元気と感じますか?それとも少し年を取って来たなと感じますか?
・調教とか競馬の感じはずっと変わりなく元気で、ひっかかるところもありますし、口向きの悪いところもまだ見せていますので、そういう意味では、いい意味でずっと変わってないですね。
◎愛着がありますね。
・本当に頑張って走ってくれますし、ずっと怪我なく使えていますから、凄い馬だと思います。
◎吉田豊騎手にとってどういう馬でしょうか?
・自分の厩舎の馬ですし、ずっと調教から跨ってずっとここまで来た馬なので、重賞も勝たせてもらってますけど、GIはまだ勝てていないので何とか勝たせてあげたいと思っている馬なので。もう年齢的に毎回「ラストチャンス」と思いながら乗っているので、何とかいい結果を出してあげたいと思っています。
◎イメージとしてはレースでは後方の位置からということになるんでしょうか?
・スタートの速い馬ではないですし、気分良く行き過ぎると最後に伸びないという馬なので、多少後ろで揉まれてゴチャついたぐらいの方が伸びてきたりする馬なので、まあ最後にうまくこの馬の脚が生きるような展開になってくれれば。。。それを願っています。
◎今回はやはりロードカナロアを意識して乗ることになるんでしょうか?
・間違いなく僕の馬の方が後ろにいると思いますので、目標にはなると思いますから、見ながらの競馬になると思います。
◎負かしてやるぞという意識でしょうか?
・どちらかと言えば展開の助けが必要な馬ですからそうした面が噛み合ってくれれば最後にどれだけ詰め寄って行けるかと思ってますけど。
◎中山の1200メートルの舞台はどうでしょうか?
・例年いつも秋の中山は馬場がいいので前の馬が残りますし、どちらかというとサンカルロには向かないんですけど、今年は雨が降ったりとかして外からの差しが効くような馬場になっていますので、例年よりは向くのではないかと思っています。
◎毎回あとちょっとという競馬が続いてますが、このちょっとの差を埋めたいですね。
・本当に悔しい思いを何回もしてますので、何とかなってくれたらと思っています。
◎GIに向けての意気込みをお願いします。
・馬の具合は去年に比べて夏負けもなく順調に来ていますので、何とか頑張りますので応援をよろしくお願いします。
●サンカルロ(大久保洋吉調教師)
◎今朝の調整についてはどんな指示を出されましたか?
・前回のキーンランドカップを使う時からある程度仕上がってましたからね。ただちょっと先週は重めに感じたので、今週も先週と同じような感じで反応を見ながらやれよと指示しました。
◎動きそのものはいかがでしたか?
・本来のサンカルロの動きだと思います。
◎状態はいいということでしょうか?
・そういうことですね。去年は阪神に遠征して暑い所で走ることになって失敗しましたけど、今年は北海道から始動しようと思って。ちょっと斤量が59キロで苦労はしたんですけど、一応、うまく前哨戦は消化してきたと思います。
◎一度叩いたことで変化はありますか?
・こういう馬はだいたいそうですが、「気」が入るというか、そういうところは見えますね。特に函館は最後まで居て9月の7日に帰って来て、こちらで坂路で乗り始めると余計にそうした「気」が見えましたけどね。
◎7歳ですけどまだまだ元気ということですか?
・もともと夏場は弱くてね。だからずっと夏場は休ませてきたので、そういう意味では実際は7歳ですが僕の感覚では6歳ぐらいじゃないかなと思ってるんですけど。
◎今回のレースでも後ろからレースを進めることになりますか?
・前回は少しスタートが良くて前に行き過ぎた感じもあるんですけどね。まあ斤量も背負ってましたしね。本来は差す競馬というのか、そういう競馬をせざるを得ないですね。無理して(前に)行けばいい所が出ませんしね。展開次第で終いにかけるということになるでしょうね?
◎今の中山は差しが決まる感じですが?
・展開にもよると思いますけどね。一概にそう決め付けるのはどうかとは思いますけど、あまりそういうことは気にしないで自分の競馬をするということでしょうね。
◎とにかくGIまであともう少しというレースがいくつもありましたが、そのもう少しを届かせたいですね?
・何回も言ってるんですが、実は1200メートルでは1回も勝ってないんですね。1200メートル専門の馬と比べるとちょっと一息足りない所はありますけど、1400メートルは一番実績としてはあるんですけど、それでもGIで上位には来ていますので、ぼちぼちどうにかしたいという感じはしてますけど。
◎最後にGIに向けての意気込みをお願いします。
・先ほど「6歳(に感じる)」といいましたけど、実際は7歳で(GI制覇は)本当にあとワンチャンスかツーチャンスかというところで、どうにか結果を出したいと思ってますので、ファンの皆さんに応援して頂いて後押しして頂きたいと思っています。
(取材:佐藤泉)
提供:ラジオNIKKEI