今週は25日が雨。その影響を受けて、27日はウッドチップが水分を含んだ状態での追い切りとなった。また、27日の夜はかなりの降水量があったが、ウッドチップの状態や追い切り時計の出方に関しては、特に変わった様子はない。
例年のことだが、この時期になると、数日前に降った雨がウッドチップ層の下部に溜まり、それが時計の掛かる馬場状態の要因となっている。よほど好天が続かないかぎり、この馬場状態は続くと見てよい。むしろ、今後は雪の影響も心配されるだけに、馬場が回復することは見込みづらい。
【坂路/4F51.9秒】
27日。一番時計は来週の阪神JFの出走を予定している
グランシェリー(栗東・庄野靖志厩舎)。その数字は4F50.2秒だったが、いくらオープン馬とはいえ、2歳牝馬でこれだけの時計をマークするのは異例。3F目には11.9秒をマークしており、この脚力はかなりの魅力だろう。
なお、同日は4F51秒以下が他2頭。51秒台の頭数は少なかったが、決して時計の掛かる馬場状態ではなかったということだろう。もちろん、時間帯によって、時計が出やすい出にくいの差はあったにせよ、オープンクラスでいつもより、4F時計、2F時計が遅いということであれば、それだけの調子にしかないという判断をしたい。
なお、先週27日の馬場差が「+0.5秒」。時計の出方としては、もう少し回復した馬場差をつけたいところだが、全体の
バランスを見ると、先週と同じ『+0.5秒』で観測するのが妥当だろう。
【CW/5F66.5秒】
ウッドチップの入れ替えはないが、ひと頃のように、ボコボコになったチップに躓くような馬や
バランスを崩すような馬は少なく、ある程度は安定した状態で追い切りが行われている印象。特に、2回目のハローが明ける時間(9時45分ごろ)は非常に走りやすい状態と言える。
27日。その、2回目のハロー明けの時間帯に追い切ったのが、阪神JFを予定している
クリスマス(美浦・斎藤誠厩舎)。栗東には、11月19日に入厩し、
ゴットフリートとともに調整が続けられている。
ゴットフリートが先行して、
クリスマスが追いかける展開。ただ、直線に向くと、2頭の差は大きく広がり、実質、単走のような形となった。時計は6F83.9〜5F69.1〜4F54.7〜3F40.4〜1F13.1秒と目立たなかったが、
スピード本位のレースぶりから「気性の激しい馬」というイメージがあっただけに、それとは全く違う走りっぷりに少々驚いた。
先週の馬場差は「-0.5秒」。時計の出方としては、先週より速い印象があり、27日、28日とも、先週と同じ『-0.8秒』で観測した。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は27日に新馬の併せ馬と未勝利が数頭。中尾秀正厩舎の3頭併せはそれなりの時計を出していたが、特に走りやすい馬場というわけではなく、馬場差は先週と変わらず『±0.0秒』で観測。
ポリトラック馬場は相変わらず。むしろ、雨の影響で、脚抜きが良いのか、ラスト1Fで11秒そこそこも続出。その中でも目立ったのは、
フィリラ(栗東・藤岡健一厩舎)。今週の出走が叶えば、馬券的には面白い。なお、馬場差は引き続き『-1.0秒』で観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)