初コンビとは思えないほど、福永とレーヴデトワールの呼吸はピタリと合っていた。栗東CWでの最終リハ。序盤は2歳新馬のレッドフォースとスカイラインを3馬身追走。前に壁をつくってスムーズに折り合うと、直線は内を突いてシャープな伸び脚を披露した。6F84秒5-39秒7-12秒7とタイムはさほど目立たないが、ゴール前は余力残しの手応えで半馬身先着。実戦を想定して中身の濃い内容だった。
引き揚げてきた鞍上の笑みが確かな手応えを物語る。「初めてだったので、最初の1歩目からコンタクトを大事に。おとなしくて従順。しつけが行き届いていて乗りやすい」。
頭脳派らしく既にシミュレーションはバッチリ。だが実際に感触を確かめて、新たな発見もあった。「2戦目(萩S6着)は少し気難しさを見せたのでどうかと思っていましたが、きょうはそんなそぶりもなかった。切れる馬ですね。ゴーサインを出してからすぐにスピードに乗るというよりも、少し時間がかかってそこからいい脚を使うイメージ。阪神の外回りはぴったりじゃないかな」。期待以上の走りに、Vへの手応えをより膨らんだ。
松田博師は馬上から好感触を伝えた鞍上に「そうやろ〜。乗りやすいやろ〜」と安どの表情を浮かべた。奇しくもハープスターとは同じような脚質。「そのあたりがどうかな。レーヴの方が少し先なのかな」と悩ましげに本番を見据えていた。
福永にとって、阪神JFは単独トップの3勝を挙げている得意なGI。10年には3歳上の姉レーヴティソールをVへと導いた。「しっかりとした馬体の持ち主。乗りやすいところはそっくりだね。追い切りでは非常にいい動きを見せてくれた。いい内容で、いい結果を出せれば」。運命の赤い糸に導かれた新コンビが、僚馬の最大のライバルとなる。
提供:デイリースポーツ