有馬記念(GI・芝2500m)に出走する
ヴェルデグリーン(牡5・相沢郁厩舎)に騎乗する田辺裕信騎手、管理する相沢郁調教師の共同記者会見の様子をお届けする。
田辺裕信騎手。
「この馬のセールスポイントは、自在性ですね。好位で競馬ができますし、後ろからも差せます。逃げて勝ったことはないですけど、色々な競馬に対応できますから、一緒にレースをする馬からは読まれにくいのが強みだと思います。
競馬をするにつれて、落ち着きも出てコントロールしやすくなっているのを感じます。相手なりに走る馬ですが、メンバーが変わって強い相手になってもその相手に対応して走っていますので、逆に言えばこの馬も変わってきているのではないでしょうか。
中山コースでの成績が良い理由は、馬じゃないのでわからないですけど(笑)、高速決着になりにくいというのがこの馬には向いているのかもしれません。
オールカマー(GII・芝2200m・1着)の時は休み明けということもあり、あの位置からの競馬になりましたが、必ずしもオールカマーがこの馬の競馬のイメージというわけではありません。今回は逃げ馬がいないというメンバーのようなので、スローな流れになるのであれば、ある程度前の位置で追走していきたいです。それは競馬に行ってみないとわかりませんが、この馬なりの競馬でいきたいと思います。
前回の天皇賞(GI・芝2000m・8着)は、やはり甘くはないなという中で入着してくれたように、初めてのGIで頑張ってくれましたし、前走以上に善戦させたいという気持ちもあります。でも一発やってやろうという気持ちがあると、それは良い方には出ないと思うので、マイペースで行こうと思います(笑)この馬なりの走りをさせて、頑張りたいです」
相沢郁調教師。
「日曜日(12/15)の追い切りでもかなり良い動きでしたし、今日(12/18)は併せた相手もオープン馬の
クリールパッションで、その馬と直線だけ鼻づらを併せる追い切りでした。気合いが乗り過ぎというくらいで、助手もすごく良い動きだと言っていました。先週はモタモタしていましたが、今週は調子が上がってきて、二重丸の動きです。
蹄は特殊蹄鉄を履かせて今のところは大丈夫ですが、いつ痛くなるかわからないので、この後の方が大変ですね。
この秋にGI3戦は無理だと思いましたので、天皇賞の前から
ジャパンCは使わない予定でした。天皇賞後は1回放牧に出して休ませましたが、帰ってきてからも雰囲気は良いです。
元々、潜在能力を買っていましたが、蹄に不安があって力を出せませんでした。それが特殊蹄鉄を履かせるなど工夫をしてから能力を出せるようになりました。
高い潜在能力がありながら、体力もついてきませんでしたが、古馬になって体もしっかりしてきました。
オールカマー(GII・芝2200m・1着)のイメージが強烈ですから、ジョッキーもそのイメージで乗るかもしれませんね。
調教師になって苦節15年、有馬記念はこれまで指をくわえて見ているだけでしたが、やっとチャンスが巡ってきました。何としても初出走で初勝ちを収めたいです」