7月6日はまとまった雨が降った栗東。しかし、週が明けて、月、火、水は晴れたり曇ったりの天候。9日の追い切りに雨の影響はなかったと思われる。ただ、8日、9日は相当蒸し暑く、夏場に弱い馬には応えたのではないだろうか。
9日の昼にゲリラ豪雨があり、そこからは断続的に雨が降り続いている。10日の追い切り、ウッドチップ馬場に関しては、非力な馬にとっては、相当苦労している印象を受けた。
【坂路/4F51.9秒】
9日。一番時計は
レッドレイチェル(栗東・安田隆行厩舎)の4F49.6秒。この時計は大幅に自己ベストを更新しているが、3歳牝馬ということを考えれば、成長と体調が大きく影響したとも思われる。ただし、4F時計のベスト10に4F51.1秒以下が並んでいる状況は、走りやすい馬場状態を示していることは間違いない。
4Fのどこかの1Fで11秒台のラップを踏んでいる馬は珍しくないが、
マイネノンノ(栗東・梅田智之厩舎)のように、2F続けて11秒台のラップ、11.9〜11.9秒は特筆もの。終い重点の追い切りだったとはいえ、これだけ動けるのは体調が良い証拠。実際、3歳の8月に未勝利戦を勝っているように、この季節が能力全開のタイプかも知れない。
10日。時間帯に関係なく、たっぷりと水分を含んだ馬場は、経験の浅い新馬にとっては走りにくい様子。道中を軽快なラップで飛ばすと、最後の1Fは蛇行して14秒要す馬もいた。ただ、多少走りにくいというだけで、極端に時計の掛かる馬場ではない。
先週の馬場差が「-0.2秒」。全体的な時計の出方を見ていると、9日は先週と同じ『-0.2秒』で記録してよいだろう。10日は前記したように、水分を含んだ馬場で走りにくいので『+0.3秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
相変わらず時計の掛かる状態が続いているCコース。9日の追い切りで6Fを80秒を切るのは、ほんのわずか。5F65秒切りもほとんどいなかった。ラスト1F11秒台も決して多くなく、前半をゆったり入ったとしても、ラストも時計を要する印象がある。
10日。1回目のハロー(整地)明けに追い切ったのが、中京記念(7月27日・中京芝1600m)の出走を予定している
トーセンレーヴ(栗東・池江泰寿厩舎)。新馬
ミッキーシーガルを追走する内容だったが、道中の行きっぷりは抜群。そんなこともあってか、厩舎の併せ馬としては珍しく、追走した馬が外を回って直線に入った。
新馬の脚色も悪くなかったので、最後まで
トーセンレーヴが前に出ることはなかった。ただ、6F81.0〜5F66.5〜4F52.7〜3F38.7〜1F13.0秒と全体時計が速かったことを考えると、新馬がよく走った。あとは道中の行きっぷりほど、最後の直線で
トーセンレーヴが弾けなかったということもあるだろう。
10日は雨降り馬場だったが、特に影響を受けた印象はない。今週の馬場差だが、先週に続いて、全体的に速い時計は出ていない。よって、9日、10日とも『+0.2秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
9日の追い切りに芝馬場を利用した馬は少なかったが、雨の影響もあり、10日にはそれなりの新馬が追い切りを行っている。なお、馬場状態に関しては、良好で馬場差は9日、10日とも『+0.0秒』としている。
ポリトラック馬場に関しては、特に状態変わらず、時計の出やすい馬場となっている。よって、馬場差は、9日、10日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)