29日午前、岐阜県笠松競馬場で、笠松出身の名馬オグリキャップ(牡20)が、91年の引退式以来、14年ぶりにその勇姿を笠松のファンに披露した。
これは、経営難の笠松競馬が、多くの人に足を運んでもらおうと施行した、オグリキャップの一時里帰りセレモニーで、30日の最終レース終了後にも再び行われる他、29日にはオグリキャップ記念直後の最終レースで、芦毛伝説オグリキャップ賞と銘打った芦毛限定競走が行われる。
オグリキャップは、父ダンシングキャップ、母ホワイトナルビー(その父シルバーシャーク)、半妹に94年桜花賞(G1)を制したオグリローマン(その父ブレイヴェストローマン)がいる血統。87年に笠松競馬場でデビュー、12戦10勝(うち8連勝)で栗東・瀬戸口勉厩舎に移籍。88年有馬記念、89年マイルCS、90年安田記念、90年有馬記念と、4つのG1を制し、通算32戦22勝(地方12戦10勝)の成績を残した。ラストランとなった有馬記念では武豊騎手を鞍上に、“もう終わった”という下馬評を覆し、“奇跡”とも言われる復活勝利を飾っている。ぬいぐるみなど各種グッズも爆発的に売れ、CD化、ドラマ化されるなど、一種の社会現象を巻き起こした。
引退後、91年から新冠・優駿スタリオンステーションで種牡馬入り。現在も種牡馬活動を続けているが、重賞勝ち馬はフルミネート(荒尾サラブレッド3歳優駿)のみと、目立った産駒は出していない。