馬なりで美浦Wの一番時計をたたき出したルージュバック
ルージュバックは美浦Wで、先導役の
キングラナキラ(4歳500万下)を5Fで2馬身追走する形で発進。ところが4F手前から急に
スピードアップし、そのまま僚馬を追い抜いてしまう。
その後は外へ誘導されパートナーとの距離を取り、結局は併せ馬の形になることなくゴールを駆け抜けた。馬なりのまま記録した5F65秒0はこの日の美浦Wの一番時計で、上がり3Fは37秒5-13秒0。高性能エンジンを改めて証明する走りではあったが、スムーズさを欠く追い切りになったことも確かだ。
想定外の内容。それでも、大竹師に戸惑いや悲観の色は見られない。「雨で(鞍上の)手綱が滑ったことで生じたアクションを、馬が
ゴーサインだと勘違いしてしまった」と状況を説明する。続けて「単純に引っ掛かったものではない。予定の時計より(5Fで)3秒くらい速くなってしまったが、元気な証拠だと納得している。動き自体は本当に良かった」とうなずいた。
ここまで全て牡馬相手に3戦全勝。前走のきさらぎ賞では初物ずくめのなか、64年
フラミンゴ以来となる51年ぶりの牝馬Vを決めた。
「前走は4角から仕掛けて、最後は突き放してくれた。長距離輸送をクリアして、懸念していた右回りも結果で応えてくれた」とレースぶりを評価。今回の舞台にも「阪神の外回りは東京の次に直線が長い(476m)。距離短縮となるが、それを補えるコース」と問題視はしていない。
無敗での戴冠なら04年
ダンスインザムード以来11年ぶり7頭目となるが、トレーナーはさらなる高みを見据える。「GIの今回も通過点。それだけの馬だと思っている」。スケールの大きさは本物。連勝街道を進んできた関東のエースが牝馬クラシック1冠目でも圧倒的な走りを披露し、鮮やかに咲き誇る。