今週は3月21日まで競馬があった関係で、22日が全休日。通常、追い切りが集中する水曜日である23日が通常の火曜日のような位置づけになった。この影響によって、栗東所属馬の高松宮記念出走予定馬の追い切りは
ミッキーアイルを除いて、24日に行われている。
その24日は朝から冷え込みが厳しく、調教時間中も曇り空でかなり寒さが感じられた。ちなみに調教が終了した午後からは日差しがあり、暖かさを感じることができるようになっているものの、やはり3月いっぱいはこのような天候が続くのではないだろうか。
【坂路/4F51.9秒】
23日。冒頭にも記したように今週は全休日にあたるが、26日のレースを予定している馬を中心に軽い内容から、一杯に追う内容まで各陣営がベストと思う負荷をかけているといった感じ。一番時計は4F49.0秒の
エスシーレオーネ(栗東・森秀行厩舎)。3歳未勝利ではあるが、この厩舎は坂路での追い切りでは極端に速い時計を出す傾向があり、この馬に関しても、そのような捉え方でよいのではないだろうか。
追い切り頭数がさほど多くなかったことを考えると、3F目に11秒台をマークした馬が9頭もいるので、かなり時計の出る馬場状態だったと考えてよいだろう。
24日。一番時計は
サクラエール(栗東・羽月友彦厩舎)の4F49.7秒。この数字は自身にとって自己べストを大幅に更新する時計だが、1週前のCWでの動きを見ていても、絶好調であることは間違いない。追い切られた時間帯が朝一番の開門から20分以上経っていることも考慮すれば、時計が出やすい馬場状態だったことを差し引いても評価したい。
開門から10分ほどの時間帯に
プレスアテンションとの併せ馬を行ったのが、大阪杯(4月3日・阪神芝2000m)の出走を予定している
アンビシャス(栗東・音無秀孝厩舎)。1F目から13.7秒とそれなりに速いラップでスタートすると、後半にむけても加速する一方。最後は前方にいる他厩舎の馬が邪魔になり、進路を変更せざるをえない状況だったが、それでも楽に相手に先着。4F51.1〜3F37.4〜2F24.7〜1F12.5秒は時計の出やすい馬場状態を考慮すれば、さほど評価できないが、軽快な動きを見ると、前走をひと叩きして確実に素軽さを増している。
先週の馬場差が「-0.6秒」。今週は全体的な時計の出方を見ると、先週よりは確実に時計が出やすい馬場状態。よって23日、24日とも『-0.9秒』の馬場差で記録している。
【CW/5F66.5秒】
23日は全休明けということもあって、走行距離の長くなるトラック馬場での追い切りは少ないだろうと勝手に予測していたが、思っていたよりも追い切り頭数が多い。また、しっかりと負荷をかけてくる馬も多いので「休み明け=軽め」という概念はかなり少なくなっているのかも知れない。
24日。ダービー卿CT(4月3日・中山芝1600m)の出走を予定している
テイエムタイホー(栗東・鈴木孝志厩舎)が元気いっぱい。
シゲルアオイマツリを追走する併せ馬だったが、楽に追いつくと、最後は突き放して先着ゴール。6F81.7〜5F65.9〜4F51.7〜3F37.9〜1F12.2秒と時計は全体も終いも速く、状態に関しては申し分ない。
先週の馬場差が「-0.6秒」。今週もある程度速い時計が出やすい馬場であることは間違いないが、極端に速い時計を出す馬がいたわけでないので、馬場差は、23日、24日とも『-0.7秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は23日、24日とも追い切りを確認することはできなかった。馬場差に関しては、天候や見た目を考慮して『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は普段と変わらないくらい。24日には
マーチSの出走を予定している
ドコフクカゼ(栗東・友道康夫厩舎)が単走で追い切って、6F76.1秒をマーク。この馬らしい、
スピード感十分の動きを見せていた。なお馬場差は23日、24日とも先週と同じ『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)