新馬戦から能力を発揮できそうなエイカイマドンナ(撮影:井内利彰)
先週から札幌、新潟、小倉での競馬がスタートしているが、新潟の新馬戦では栗東所属馬が2日目の芝1600mと芝1400m(牝)に1頭ずつが出走して、いずれも1番人気。オーデットエール(栗東・須貝尚介厩舎)がきっちり勝ち上がった。同日の2歳未勝利(芝1600m)では栗東所属馬が2頭出走して、1着と2着。少数精鋭でその存在感を示している。
今週の新潟競馬場にも栗東所属馬が遠征予定。追い切りでもしっかり動けている良血馬で、人気を集めることになりそう。ここでは取り上げなかったが、8月6日(日)小倉芝1800mの新馬戦にはミッキークイーンの半弟、ロングランメーカー(栗東・池江泰寿厩舎)やレトロロックの全弟、アンチェイン(栗東・音無秀孝厩舎)が出走を予定している。
【8月5日(土) 新潟芝1600m】
◆エイカイマドンナ(牝、父ハーツクライ、母マチカネハヤテ、栗東・藤原英昭厩舎)
母系には2007年ヴィクトリアMを優勝したコイウタ(父フジキセキ)や先日のジャパンダートダービーで2着したサンライズソア(父シンボリクリスエス)などがいる血統で、本馬は2016年セレクトセール1歳にて、2700万円で落札されている。
6月1日に山元トレセンから栗東へ入厩して、じっくりと乗り込まれてきた。7月26日のCWコースでの追い切りは3歳未勝利を追走する内容。6F時計は85.9秒と遅かったが、相手にあっさりと追いついて、ラスト1Fは馬なりで11.8秒。反応の良さは新馬としては高いレベルにあるし、ゲート試験の時のダッシュ力を考えても、新馬戦から能力を発揮できるタイプであることは間違いないだろう。鞍上は戸崎圭太騎手を予定している。
◆ノーブルカリナン(牝、父ディープインパクト、母ノーブルジュエリー、栗東・友道康夫厩舎)
母は現役時代に芝で6勝を挙げたディープインパクト産駒。初仔ではあるが、小さいという印象はなく、むしろ牝馬としては体があるタイプ。だからというわけではないのだろうが、入厩当初の栗東坂路での追い切りではあまり動きが目立っていなかった。
しかし、そのイメージが完全に覆った7月27日のCWコースでの追い切り。併せ馬で先行していたのは、攻め抜群に動くアドマイヤロケット。これを1秒近く追走したので、きっと追いつくこともできないだろうと思っていたが、なんと馬体を併せるところまで迫ってのゴール。結果的に遅れてはいるが、ここまで動けば上等。その時計は6F80.2〜5F64.9〜4F50.6〜3F36.7〜1F11.8秒と素晴らしく速い。このひと追いで気合が乗りすぎるようなことがなければ、デビュー戦からいいパフォーマンスを見せてくれそう。鞍上はM.デムーロ騎手が予定されている。
【8月6日(日) 新潟芝1800m】
◆ウォルビスベイ(牡、父ディープインパクト、母オヴァンボクイーン、栗東・松永幹夫厩舎)
ドイツ牝系のディープインパクト産駒。ネオユニヴァース産駒の半姉ノイエクローネは勝ち上がることができずに競走馬登録を抹消されているが、本馬に関しては「馬体重は430キロくらいの軽量ですが、肢長で大きく見せる馬。走ってきそうな雰囲気を感じますね」と松永幹夫調教師。
7月19日のCWコースでは時計は遅かったものの、騎乗者が前に重心を乗せただけでしっかり反応。7月26日の栗東坂路では、古馬500万下を追走して同入。ためて伸ばすという、新馬戦に重要な走り方をきっちりできている点は高く評価できるだろう。鞍上は武豊騎手が予定されている。
【8月6日(日) 小倉芝1200m(牝)】
◆ビーチキャンドル(牝、父ロードカナロア、母ビーチパーティー、栗東・崎山博樹厩舎)
ロードカナロア産駒には珍しい芦毛。祖母ビーチフラッグが芦毛だったので、その流れの毛色だと思われる。母系が色濃く出ていることは間違いないが、追い切りの動きはロードカナロア産駒の優等生タイプといった感じもする。
7月19日のCWコースでは新馬との併せ馬をきっちり先着。6F82.9秒の時計は水準以上の数字といってよい。7月27日のCWでは、3歳未勝利を追走して、2馬身先着する動き。時計は遅かったが、その反応の良さは目立っていた。鞍上はいつも追い切りに跨っている水口優也騎手が予定されている。
(取材・写真:井内利彰)