毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”を
コンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
【セントライト記念(中山芝の傾向)】
土曜夜から雨が降り出し、日曜朝は一時小雨になったが、11時20分にJRA発表は小雨→雨に変更。終日、雨は降り続いた。芝は稍重で始まり、午後1時57分に重にワンランク悪化。好時計が出た土曜とは一変し、完全な道悪競馬になった。
芝は6鞍施行。9R・汐留特別(芝2000m)は内ピッタリを通った
ミッキークロスが逃げ切り。勝ち時計2分3秒6で、良馬場時と比較すると「2秒0〜2秒5」は時計がかかる。10R・初風特別(芝1200m)は勝った
ダイメイプリンセスが2番手抜け出し。
これだけ見ると、内有利に推移したかに見えるが、9Rを勝った
ミッキークロスは前半5F62秒1、後半5F61秒5と完全なマイペースだった。5R・新馬戦(芝1600m)は道中最後方の
トーセンブレスが4角12番手から大外一気。7R・500万下(芝2500m)の
バラダガールは早めに外をまくり、抜け出した。必ずしも、内寄り天国ではない。
雨は日曜未明まで降り続く予報。日曜午前5〜6時以降からは晴へ。予想最高気温31度とかなり高く、1R開始時は仮に重〜不良でも、メインのセントライト記念の頃には相当乾きそうだ。3日間開催で内寄りの傷みは進んでおり、基本的には中〜外を通る「差し馬優勢」と見たい。
さらに注意すべきは台風一過の「風」の動向だ。北北東の緩めの風が基調だった日曜とは真逆で、月曜日中は「南南西6〜12m」の強めの風が吹く予報。予報通りなら、向正面は、正面からまともに風を受ける向かい風。正面スタンド前は背中からの追い風となる。
これは
ディーマジェスティが勝った昨春の皐月賞に近い状況。台風並みに発達した爆弾低気圧の通過後で瞬間20m以上の強風が吹いた当時ほど風は強くない見込みだが、向正面でまともに前から風を受けた先行勢は平均ラップを刻んでいるようでも実はスタミナを消耗させられ、結果的に後方にいた
ディーマジェスティ、
マカヒキの追い込み競馬になった。
もし10m近くの風が吹くようなら、先行型は向正面でどれだけペースを落とせるかが鍵になる。セントライト記念の人気勢では
クリンチャー、
アルアイン、
サトノクロニクルはこれまでの脚質通りなら、好位にいることになる。この位置が無風=緩ペースなら、好位組は当然粘りやすい。逆に向正面半ば(1000〜1400m付近)で早々と先行勢にプレッシャーがかかる展開なら、差し馬にも出番が…。
どこまで馬場が乾くか?直線のどこが伸びるか?のチェックとともに「南風がもたらす影響」に注意したい。強風の「ドライヤー効果」と、風で芝が横に寝ることで、意外な高速馬場になることはこれまで多々ある。予報通りの風(風向、風速など)が吹くかは是非、当日ご確認を。