どんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみなブラゾンダムール(写真左・撮影:井内利彰)
いよいよ、今週から秋の東京競馬場、京都競馬場が開幕。この開催は「素質馬の宝庫」とも言われる開催だが、昨年の東京開幕週、芝2000mでデビュー勝ちを決めたのがレイデオロ(美浦・藤沢和雄厩舎)。先日の神戸新聞杯で強い勝ち方を見せたダービー馬で、やはりスターホースが登場する開催といってよいだろう。
【10月8日(日) 東京芝2000m】
◆ブラゾンダムール(牡、父ディープインパクト、母メダリアダムール、栗東・松永幹夫厩舎)
全姉に京都芝1600mで未勝利戦を勝ち上がったフィーユダムールがいるが、性別の違いもあって、こちらが大柄。松永幹夫調教師は「腹まわりがボテッと映るシルエットですが、走らせると素軽い動きをします」と評価。
9月27日にレースでも騎乗が予定されているM.デムーロ騎手が跨って、CWコースでの併せ馬。7Fから時計になる、かなり負荷のかかった併せ馬。相手も新馬だったが、そちらは最後の直線で早々に一杯。しかしこちらは手応えに余裕があって、最後まで楽にゴールを駆け抜けた。時計も6F82.6秒と速く、新馬としては水準以上の動き。ここでどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみ。
【10月8日(日) 京都芝2000m】
◆ダノンフォワード(牡、父オルフェーヴル、母カリフォルニアネクター、栗東・藤原英昭厩舎)
新馬、札幌2歳Sと連勝したロックディスタウンと同じオルフェーヴル産駒。半姉に先週の中山ダート1200mを勝って3勝目を挙げたダノンアイリス(父Arch)がおり、本馬は2015年セレクトセール当歳にて、8000万円で落札されている。
ここ3週はレースで騎乗予定の福永祐一騎手が跨って追い切られており、9月28日はCWコースでトーセンバジルを追いかける内容。3馬身ほど追いかけて、最後は1馬身ほど遅れたが、こちらは手応えが楽。全体時計が遅いので、速いラップで走った時にどのくらい弾けるのかといったところは未知だが、現状の調教内容としては魅力十分な走りっぷり。
◆ジュンヴァルロ(牡、父New Approach、母ウェイクミーアップ、栗東・友道康夫厩舎)
日本で活躍するNew Approach産駒には、青葉賞2着のベストアプローチがいる。母系には2013年英2000ギニーを勝ったDawn Approach(父New Approach)がいる血統。ちなみに先日の芙蓉S2着、札幌2歳S2着のファストアプローチがDawn Approach産駒。
6月の函館競馬場でゲート試験に合格した後は牧場へ戻って調整。8月19日にノーザンF天栄から栗東へ入厩している。中間は先週デビュー勝ちを決めたアドマイヤキングと併せ馬を行っており、ほぼ互角の動きを見せている。追い切りの動きを見ていると、切れるというよりも持続力で勝負したいタイプなので、スローペースになりやすい新馬戦でどこまで持ち味を出すことができるか。
【10月9日(祝・月) 京都芝1600m(牝)】
◆ソシアルクラブ(牝、父キングカメハメハ、母ブエナビスタ、栗東・池添学厩舎)
母は2011年ジャパンCなどG1で6勝を挙げたブエナビスタ。その初仔で全姉のコロナシオンは京都芝1800mの新馬戦を勝っている。ただ、現在は500万下を勝ち上がることができていないので、やきもきしているファンも多いはずで、この馬に対する期待度は大きいだろう。
9月13日のノーザンFしがらきから栗東へ入厩しており、栗東坂路とCWコースでの追い切りを順調に消化。9月27日のCW追い切りにはレースでも騎乗予定の岩田康誠騎手が騎乗。3頭併せの真ん中で手応えよく最後の直線を迎えたが、仕掛けられてから鋭く反応するというタイプではない。ただ内から追い抜かれそうになれば、それを抜かせまいとスピードアップするし、外から一気に追い抜かれるとそれについていこうとする。勝負根性のありそうなタイプだけに、これが実戦でも見ることができれば。
(取材・写真:井内利彰)