10月から始まった東京、京都開催も今週を含めて、あと2週で終了。中山、阪神開催になれば2歳G1が続くが、そろそろ想定メンバーが固まりつつあるところ。それを前にして、楽しみなレースが、京都芝1600m内回りで行われる2歳500万下の白菊賞(11月26日)。牝馬限定のマイル戦ということで、ここをステップに阪神ジュベナイルフィリーズ(12月10日・阪神芝1600m)の出走を考えている馬もいるだろう。

　注目は当欄でもデビュー前に取り上げたデルニエオール(栗東・池江泰寿厩舎)。オルフェーヴルの全妹だが、このきょうだいで牝馬が新馬勝ちしたのは初めて。そういった意味でも今後も注目されるのは間違いない。他の出走予定馬は京都芝1600mの未勝利戦で2着に4馬身差をつけて快勝したディープインパクト産駒のレッドランディーニ(栗東・石坂正厩舎)、東京芝1600mの新馬戦を勝ったルーラーシップ産駒のリリーノーブル(栗東・藤岡健一厩舎)やアルテミスS5着のスカーレットカラー(栗東・高橋亮厩舎)などがいる。

【11月19日(日)　京都芝2000m】

◆フランツ(牡、父ディープインパクト、母ロベルタ、栗東・音無秀孝厩舎)

　母系には同厩舎で管理され、今年の青葉賞を勝ち、日本ダービーでは1番人気に支持されたアドミラブル(父ディープインパクト)がいる血統。フランツの全兄でアドミラブルと同年齢のコペルニクスも素質の高さは期待されていたが「兄は小さくて体質的な弱さがあったけど、こちらは馬格もあってここまですごく順調」と音無秀孝調教師。

　追い切りに関しては、10月25日のCWコースでは6F82.7秒をマークしており、11月1日の栗東坂路では4F52.5秒をマーク。この時は古馬1000万下と併せて同入の動きを見せている。11月8日の坂路ではレースで騎乗予定のC.ルメール騎手が感触を確かめており、出走態勢は万全といったところ。

【11月19日(日)　京都ダート1200m】

◆ヌーディーカラー(牡、父クロフネ、母アドマイヤエバート、栗東・宮本博厩舎)

　母系にはフサイチエアデールやフサイチリシャールがいる良血だが、この馬自身の動きも素晴らしい。10月25日のゲート試験では、1F目12.3秒、2F目11.5秒とデビュー前の2歳としてはトップクラスのダッシュ力を見せつけた。

　さらに11月8日の栗東坂路では4F50.9秒をマーク。もちろん、この日の2歳一番時計だったわけだが、二番時計は4F51.5秒のケイアイノーテック。ちなみに同馬が先週のデイリー杯2歳Sで3着だった。「体型的にも気性的にも短距離が合うタイプ。調教でもそれを示すような動きを見せていますし、初戦から楽しみですよ」と宮本博調教師。鞍上はC.ルメール騎手が予定されている。

【11月19日(日)　東京芝1800m】

◆ロードダヴィンチ(牡、父ロードカナロア、母レディアーティスト、栗東・藤原英昭厩舎)

　初年度から活躍するロードカナロアの産駒。ロードカナロアを現役時代に所有していたロードホースクラブからはすでに2頭のロードカナロア産駒がデビューしているが、いずれも勝ち上がっている。ただその2頭はいずれも未勝利戦だっただけに、この馬が初めての新馬勝ちを決めることができるかどうか。

　11月1日のCWコースでの追い切りでは6Fから時計を出して6F82.4秒。追ってからあまり伸びない印象だったが、このひと追いがきっかけになったのか、11月8日のCWでの動きは一変。マイルCSに出走予定のガリバルディと併せて、先行していたとはいえ、最後まで楽な手応えで同入。5F65.2秒、1F12.2秒は新馬として水準以上の時計といってよい。鞍上は戸崎圭太騎手が予定されている。

【11月19日(日)　東京芝1400m】

◆オメガプランタン(牡、父ロードカナロア、母スプリングチケット、栗東・安田隆行厩舎)

　父ロードカナロアの現役時代が安田隆行厩舎の管理馬なら、本馬の半姉カレンチャン(父クロフネ)も同厩舎。注目が集まって当然の血統だが、追い切りでもしっかりと動けている印象を受ける。

　11月1日の栗東坂路では新馬を追走して、きっちりと先着。時計は4F53.9秒と地味だが、追いかけて先着するところにセンスを感じる。11月8日のCWコースでも追走する併せ馬を先着。この6F時計も遅いが、折り合って走れていたという点は評価できる。調教量も十分足りているだけに、当然初戦から注目すべき存在。鞍上は戸崎圭太騎手が予定されている。