開幕週はこう攻めろ! 馬券達者な名物記者が指南する開催替わりのポイントとは?
舞台が移る開催替わりは、傾向がどう変わるかを読むことがポイントになる。今年の1月の京都開催の予想がハマった要因は「例年より差しが届く」という読みが当たったからだ。京都金杯やシンザン記念は、Aコース使用で例年保護されていた内ラチ沿いにグリーンベルトが出現し、内枠の先行馬が圧倒的に有利な競馬になる。
それが今年は、昨年10月に再三道悪になったことでインが悪化していたため、例年ほど極端な先行有利にならないと予想できた。京都金杯でクルーガー、シンザン記念でアーモンドアイを狙った理由もそこにある。本来なら、京都で圧倒的に良績を残すディープインパクト産駒が不振なのも、今年の京都の芝が特殊だったことを物語る。それだけに、阪神に替わって特に内回りでは先行馬の巻き返し、そしてディープ産駒の巻き返しに注目したい。
この時期の中山は、芝が良くなる時期だ。2カ月連続の開催で早い段階で雨が降れば軌道修正が必要だが、近年の中山は水はけも良くなり、エクイターフを使用するようになって上がりも速くなった。
東京も昨年10月の雨の影響で馬場が荒れたため例年より時計がかかり、さらにインの先行馬が粘った。東京では粘りひと息の馬が中山で変わり身を見せるという例年のパターンだけでなく、外に持ち出して伸び切れなかった切れ味タイプの差し馬の巻き返しに注目したい。
もちろん、中山に照準を合わせた小回り巧者も浮上する。ダートは、東京が凍結防止剤の影響で力のいる状態になり差し馬は不発に終わった。中山でマクれそうな馬なら一変があるはずだ。
開幕週は中山記念と阪急杯。中山芝1800mは、コーナー4回で先行馬が有利だ。現段階では人気のペルシアンナイトよりむしろ、先行力あるアエロリットやここに照準を合わせた中山巧者ウインブライト、サクラアンプルールに魅力を感じる。阪急杯はレッドファルクスより、正攻法で立ち回れるモズアスコットが内回りだけに狙い目になる。重賞の注目馬は例年通りのパターンだが、その他のレースでは前述のポイントを踏まえておいしい配当を見つけたい。 (文・高橋利明)
[プロフィール]
高橋利明(たかはしとしあき)
1989年に福島民報社に入社。2年目から競馬取材を始めて93年から本社予想を担当。
中山・京都金杯、シンザン記念、フェアリーSと、年明けの開幕重賞をズバズバ的中させた高橋利明さんの予想はこちらから御覧いただけます