今年も戴冠有力と目される中央勢に対し、一矢報いる地方勢の台頭はあるのか?(撮影:高橋正和)
現役時代、英2000ギニーを勝ち、種牡馬になってからも史上初の3冠馬セントライトなど活躍馬を多く輩出したダイオライト。その名が付けられたダイオライト記念(統一JpnII)が、3月14日(水)船橋競馬場で行われる。距離は2400mで、ダートグレード競走のなかでは2500mで施行される名古屋グランプリに次ぐ長さだ。
昨年まで3連覇を達成していたクリソライトが不在のなか、出走を予定している馬たちを見ていきたい。まず、過去10年において連対馬20頭中16頭を占めているのがJRA勢で、今年はアポロケンタッキー、ケイティブレイブ、マイネルバサラの3頭が名乗りを挙げている。
最も注目したいのは、川崎記念を鮮やかに逃げ切ったケイティブレイブ。前走のフェブラリーSではハイペースのきつい展開で大敗を喫したが、ここなら極端にペースが速くなることは考えにくい。相手関係も楽になり、巻き返し可能。なお、今回は杉山晴紀厩舎に転厩して初戦となる。
川崎記念でケイティブレイブに逃げ切りを許し、2着に惜敗したアポロケンタッキーは、日本テレビ盃を制した実績のある船橋の舞台で逆転なるか。マイネルバサラは浦和記念を勝利しているものの、佐賀記念ではコンマ9秒差離されての3着で、前述したGI馬2頭と比較するとやや見劣りする。
一方、地方馬に目を向けると、中央馬と比べ戦績は劣勢ながらもここ2年連続で馬券に絡むなど、決して侮れない。昨年3着だったウマノジョーも今年も出走を予定しているし、中央との交流重賞になった1996年以降5度の優勝を果たしている地元・船橋からは転入初戦を迎えるスノーモンキーが参戦する。
同馬を担当する木村厩務員(矢野厩舎)は「来たときよりも乗り込んで、状態は良くなっている。中央時代も長めのところを使っていたし、距離もこなせると思う。相手は強いが、この馬なりに頑張ってもらいたい」と話す。
2004年の優勝馬ミツアキタービンを輩出した笠松からは、チェダーとツルオカハチマンが出走予定だが、さすがに荷が重い印象は否めない。(取材・文=競馬専門紙「勝馬」地方版記者・豊岡加奈子)
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