先行争いが激しくなれば、3〜4角で外からのまくり合戦も
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
【皐月賞(中山芝の傾向)】
この稿、基本的には土曜最終レースを終え、書かせていただいている。ただ皐月賞に限れば、極めて読みづらい馬場状況。もちろん、理由は天候である。土曜11R・中山グランドジャンプの時点で既に雨はパラパラ降っている。船橋市は土曜夜から雨予報で日曜の昼前まで降る見込み。ただ1時間あたりの降水量は1〜2ミリ前後。当初の予報ほどの大雨ではない。予報通りなら、日曜午後に雨が上がっている予報。
皐月賞は良馬場の見込みは薄いが、稍重程度の軽度の悪化で済む可能性も。もちろん、重や不良も想定しなければなるまい。芝は3〜4コーナー、直線内側の傷みが進んでいる。今開催の中山はAコース使用時は一見傷んで見える内寄りの粘りも利いていたが、Bコース施行の2週前(ダービー卿CT週)から、中〜外を通る馬が台頭する「外伸び馬場」になっている。
参考までに、土曜の芝は4鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「2番手、8番手、6番手、4番手」。3歳500万下の9R・山藤賞(芝1800m)は最初の1コーナーでは10番手にいた1番人気フィエールマンが徐々に番手を上げ、1分48秒1。土曜の馬場レベルを保てれば、皐月賞は2分を切る決着になったはず。ただ、予報からはやはり2分台のパワー勝負だろう。瞬発力で勝負したい馬には厳しい舞台設定。
内寄りの芝の傷みが進んでいるので、序盤から荒れた内を通らされる内枠勢はどこかで馬場のいい個所に出す作業は必要か。先行争いが激しくなるようなら、3〜4コーナーで外からのまくり合戦もある。いずれにしても、当日午前中の傾向をチェックしたい。