先週の8月12日に新潟ダート1800mで行われたメイクデビュー。フルゲート15頭に対して、出馬投票は28頭だったので、13頭が除外になってしまった。なかには芝の番組へ再投票した馬もいるが、本当にダート中距離を使いたい馬は中山、阪神開催まで待機することになりそう。

　逆に今開催行われた小倉芝1200mのメイクデビューは一度もフルゲートになっていない。こういった状況を考えると、芝1200mの番組を減らして、小倉ダート1700mでのメイクデビュー実施も検討していくべきではないだろうか。

【8月19日(日)　小倉芝1800m】

◆ギルマ(牡、父ハービンジャー、母レストレスハート、栗東・高橋義忠厩舎)

　半兄に芝で4勝を挙げているパドルウィール(父クロフネ)がいる血統だが、こちらは父がハービンジャー。父と母父はマイルCSを制したペルシアンナイト(栗東・池江泰寿厩舎)が同配合になる。ちなみに同馬は2016年夏開催の小倉芝1800mをデビュー勝ちしている。

　ゲート試験に合格した後、7月下旬から栗東坂路とCWコースで時計を出しているが、それまでは特に目立つような点はなかった。しかし8月9日のCWでの追い切りが気になる動き。3歳未勝利を4馬身ほど後方から追走したが、最後の直線では内から楽々と追いついて同入のゴール。6F81.5秒、1F12.2秒と全体も終いも速い時計をマークした。コーナーリングでスピードの落ちない走りも魅力的で、ここはデビュー戦から注目したい。鞍上は追い切りにも騎乗していた鮫島克駿騎手が予定されている。

◆ミッキースピリット(牡、父ディープインパクト、母フリーティングスピリット、栗東・音無秀孝厩舎)

　2017年セレクトセール1歳にて、1億800万円(税込)で落札されたディープインパクト産駒。母父がInvincible Spiritになるが、日本で活躍した産駒が芝短距離で6勝を挙げたイッテツを筆頭に快速馬というイメージが強い。そういった点も含めて、デビューする距離を思案した音無秀孝調教師だが「決して短距離という体ではないし、まずはこの距離でどんな競馬をしてくれるか見てみたい」ということでデビュー戦はこの距離に決まった。

　1週前追い切りとなる8月8日の栗東坂路では、4F53.2秒、1F12.6秒。決して遅い時計ではないが、特筆するほどの数字でもない。ただ、8月1日のCWコースでの3頭併せでは手応えに一番余裕のある状態で6F84.6秒、1F12.1秒をマークしており、決して動けない馬ではない。むしろスピードに特化していない走りが距離の幅を広げてくれそうな気もする。鞍上は追い切りにも騎乗している松若風馬騎手を予定。

【8月19日(日)　新潟芝1600m(牝)】

◆サルトアトランテ(牝、父ゴールドアリュール、母サダムグランジュテ、栗東・西園正都厩舎)

　母は同厩舎で管理されて、ダート1400m以下で5勝を挙げていて、父はゴールドアリュール。血統的にはダートをイメージしてしまうが「素軽いフットワークをしているし、芝のスピードにも対応できる」と西園正都調教師。

　CWコースでの追い切りは7月25日、8月2日と2週続けて行われているが、6F82.2秒、6F81.3秒と週を追って時計を詰めている上、25日が一杯に追っての時計だったのに対し、2日はほぼ馬なり。8月8日の栗東坂路では、2F24.9秒と終いの脚力も見せており、出走態勢は整った。鞍上は石橋脩騎手が予定されている。

【8月19日(日)　札幌芝1800m】

◆リオンリオン(牡、父ルーラーシップ、母アゲヒバリ、栗東・松永幹夫厩舎)

　2016年セレクトセール当歳にて、9072万円(税込)で落札。半兄に今年の七夕賞を制したメドウラーク(栗東・橋田満厩舎)がいる。本馬は函館競馬場へ入厩する前から「すごく見映えする馬で、かなり能力は高いと思っています」と松永幹夫調教師の期待が大きい。

　ゲート試験も難なく合格し、その後は一旦放牧へ。秋デビューのプランもあったが、至極順調ということでこの番組を目標に函館競馬場へ入厩。函館Wコースでしっかりと時計が出されている。目立って速い数字ではないものの、ダイナミックなフットワークはいかにも実戦向きといった感じ。鞍上は福永祐一騎手を予定している。

(取材・文：井内利彰)