菊沢隆徳厩舎のフォースキャリアは京都2000mで始動(撮影:竹之内元)
先週の新馬戦では当ニュースで取り上げたサトノラディウスとシハーブが1倍台の断然人気に応えて勝利。シハーブは上がり2位に0.9秒差をつけての圧勝で、534キロの大型馬だけに2戦目以降が楽しみな存在となった。
11月に入ってから毎週2歳重賞が行われ、翌月の2歳GIが着々と近付いていくなか、美浦から期待のデビュー馬が今週もスタンバイしている。
◆フォースキャリア(牡、父ワークフォース、母ムーンレディ、美浦・菊沢隆徳厩舎)
2010年のダービー、2012年の天皇賞・秋を制したエイシンフラッシュの異父弟。9月12日に入厩して以来、じっくりと時間をかけて乗り込んできた。
「まだ全体的に緩さがある現状だけど、それなりに体力はある。そんなに切れる感じではなく、どちらかと言うと持久力型。いいところはありそうだし、まだまだ良くなってきそうなイメージがある」と菊沢隆徳調教師。11月18日、京都の芝2000mを横山典弘騎手で予定している。
◆アップライトスピン(牝、父ディープインパクト、母オリジナルスピンII、美浦・池上昌和厩舎)
母はアメリカで重賞(アーリントンワシントンラッシーS)を勝っており、テストS2着、BCジュヴェナイルフィリーズ3着などG1でも実績を残した。兄姉はアクセラレート(現2勝)、ルミナリースピン(現2勝)などがコンスタントに走っている。
「5月生まれということもあり、本当に良くなるのは先だと思う。それでも走らせてみるとフットワークがいい。当初は短めの距離に適性がありそうだと思っていたけど、わりと融通は利きそう。まずは1800mでの走りを見てみたいですね」と池上昌和調教師。11月18日、東京の芝1800mを大野拓弥騎手で予定している。
池上昌和調教師からはホウオウクリスティ(牝、父ハーツクライ、母ヴェイルドクリス)もスタンバイ。こちらは11月17日、東京の芝1600m(牝馬)を田辺裕信騎手で予定している。
◆キャンディスイート(牝、父ヴィクトワールピサ、母キャンディネバダ、美浦・中川公成厩舎)
母はアルゼンチンの1000ギニーを勝っている。「なかなかの動きをしているし、牝馬にしては馬格もいい。どちらかと言うとパワー型のイメージ。距離はマイルぐらいが合いそう。気がいいし、調教の感じを見ると初戦から動けると思う」と中川公成調教師。11月17日、東京の芝1600m(牝馬)を横山典弘騎手で予定している。
◆スイートセント(牝、父ワークフォース、母ヒカルアマランサス、美浦・栗田徹厩舎)
アグネスタキオン産駒の母は京都牝馬Sを勝っており、ヴィクトリアマイル2着の実績もある。異父姉に通算4勝、フラワーC4着のギモーヴ。叔父に金鯱賞を勝ち、宝塚記念2着や天皇賞・春2着などGI戦線でも活躍したカレンミロティックがいる。ゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、10月下旬に再入厩した。
「トレセンの環境にも慣れて落ち着きが出てきたし、馬の感じは良くなっている。ワークフォース産駒っぽくないというか、軽い走りをするタイプ。まずはマイルぐらいの距離が良さそうです」と栗田徹調教師。11月17日、東京の芝1600m(牝馬)をC.ルメール騎手で予定している。
◆ラブイズブラインド(牝、父ジャスタウェイ、母アドマイヤラブ、美浦・林徹厩舎)
3代母がOP特別2勝、ステイヤーズS2着など中長距離で活躍したアドマイヤラピス。一族からはアドマイヤホープ(全日本2歳優駿、北海道2歳優駿)、アドマイヤフジ(日経新春杯、中山金杯連覇)、アドマイヤコスモス(福島記念)、アドマイヤデウス(日経賞、日経新春杯)といった重賞ウイナーが出ている。
「調教では水準以上に動けているし、いいスピードがありそう。おとなしくて躾が行き届いているし、初戦から楽しみ。距離には融通が利くと思います」と林徹調教師。11月18日、東京の芝1400mを蛯名正義騎手で予定している。
(取材・文:竹之内元)