上質のバネを感じさせるシェドゥーヴル(撮影:竹之内元)
今年の競馬もいよいよ大詰め。アーモンドアイが驚異的な日本レコード“2:20:6”で駆け抜けたJCが鮮烈なインパクトを与えた。
その東京最終週では、このニュースでも取り上げたヴァンランディが芝2000mの未勝利戦で見事に勝ち上がった。しかもルージュバックの持つコースレコードを0.5秒更新する、2:00:3という勝ち時計。
今週から東は中山、西は阪神に舞台を移し、冬の中京開催も開幕。先週に引き続き、速いタイムでの決着が予想される。冬の冷え込みが厳しくなってきたが、来年のクラシックに向けた熱戦は勢いを増す一方だ。
◆シェドゥーヴル(牡、父オルフェーヴル、母ヒルダズパッション、美浦・木村哲也厩舎)
母は米G1・バレリーナS(ダート7F)など重賞を5勝した。現5歳の異父兄にジークカイザー(4勝)、現3歳の異父兄にヴェルテアシャフト(2勝)がいる。現4歳の異父兄Yoshidaはアメリカに渡り、G1・2勝(ウッドワードS=芝9F、ターフクラシックS=ダート9F)と活躍している。ゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で成長を促し、10月末に再入厩。先週の追い切りは長めから3頭併せで追われ、古馬(ゴールデンブレイヴ)を相手に併入している。
「立派な馬体で上質のバネを感じるけど、急にスイッチが入るなど気持ちの面で難しい部分もある。体の使い方や走り方を見ても我慢するところと行くところの判断ができていないような感じですね。そうした課題を少しずつ改善できるように教え込んでいきたい。能力はあると信じているし、長い目で見て大事に育てていきたいと思っています」と木村哲也調教師。12月2日、中山の芝2000mをW・ビュイック騎手で予定している。
◆アラゴネーゼ(牝、父ゴールドアリュール、母アイランドファッション、美浦・和田正一郎厩舎)
母は米G1・3勝(アラバマS=ダート10F、ラブレアS=ダート7F、サンタモニカH=ダート7F)を挙げ、2004年の安田記念(16着)にも参戦した。1歳上の異父兄にサトノソルタス(共同通信杯2着)、5歳上の異父姉にパシフィックギャル(アルテミスS2着、フラワーC2着)がいる。こちらもゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、11月に入ってから再入厩。坂路とウッドチップコースで追い切りの本数を重ねてきた。
「まだ馬体面には成長の余地を残していますが、ひと追い毎に良くなっているし、だいぶ気持ちも入ってきました。血統的にもダートのほうがいいと思います」と和田正一郎調教師。12月2日、中山のダート1800mをW・ビュイック騎手で予定している。
◆トランスアクスル(牡、父キンシャサノキセキ、母ラテアート、美浦・中川公成厩舎)
サクラバクシンオー産駒の母は2歳時にOP勝ち(クリスマスローズS)があり、桜花賞(15着)にも出走した。伯父には京王杯2歳S3着のカラメルアートがいる。こちらもゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、11月に入ってから再入厩。坂路とウッドチップコースで順調に追い切りの本数を重ねている。
「カイバの食いが細く、男馬のわりに馬体にも線の細さがあるけど、追い切りでの反応や動き自体は悪くない。血統的にも適性は短い距離でしょう。しっかりとしてくれば楽しみです」と中川公成調教師。12月1日、中山の芝1200mを予定している。
◆メールデゾレ(牝、父サウスヴィグラス、母メイルストローム、美浦・水野貴広厩舎)
祖母のマジックコードはカナダの古牝馬チャンピオン。母の姉妹にシークレットコード(阪神JF2着)、パールコード(秋華賞2着、フローラS2着)がいる。2週前の東京戦を抽選で除外になり、この中山開催まで待機することになった。
「テンションが高くなるときもあるけど、いいスピードがありそう。サウスヴィグラスの子だし、適性はダートの短距離でしょう。気性的にも初戦向きだと思います」と水野貴広調教師。12月1日、中山のダート1200m(牝馬)を予定している。
(取材・写真:竹之内元)