フェアリーSで重賞制覇を目指すレーヴドカナロア(撮影:花岡貴子)
レーヴドカナロアの母はあのレーヴドスカー。新馬→デイリー杯→阪神JF→チューリップ賞を4連勝したレーヴディソール、日経新春杯を勝ったレーヴミストラルの下に当たります。松田博資厩舎所属で活躍した面々ですね。その上のナイアガラ(すみれS優勝)やアプレザンレーヴ(青葉賞優勝)は池江泰郎厩舎の所属馬でした。懐かしいっ!!!
このとおりレーヴドスカーの子供たちは活躍馬が目立つのですが既に彼女は繁殖を引退しており、レーヴドカナロアが最後の競走馬となると聞いています。寂しい気持ちもありますが、こればかりは仕方ないこと。より頑張ってほしいな、という思い入れが強まります。
担当しているのはこの血統をよく知る大當助手。以前は松田博厩舎でレーヴドカナロアのお兄さんでもあるレーヴミストラル、桜花賞馬マルセリーナ、そしてキャプテンベガなどを担当していた腕利き助手さんです。それゆえに、この血統が故障しがちなこともよく心得ていらっしゃいます。
その上で、この血統でもレーヴドカナロアは「故障はしにくいと思う」(大當助手)というコメントをいただきました。やはり元気に競走生活を全うしてほしいので嬉しいお話です。さて、その理由は?
「最近でこそウッドチップでの調教で動けるようになってきたけれど、芝コース以外では上ほどは動かない」(大當助手)のだそうです。
確かに。姉のレーヴディソールはダートコースでの調教でも追えば追っただけ素晴らしい伸びを見せていました。しかし、レーヴドカナロアはあのお姉さんに比べると調教での動きはそこまでではないようです。そういった一面も踏まえて、陣営がレーヴディソールらの経験を踏まえてそのように話してくれたのだと思います。
競走馬の脚元は繊細ですから、決して油断はならないでしょう。でも、ひとつ勝って丈夫でいてくれれば次のチャンスに巡り合えます。無事、フェアリーSの抽選を突破したレーヴドカナロア。クラシック出走の権利を得て、姉・レーヴディソールの叶わなかったクラシック出走を無事果たしてほしいですね。
(取材・文:花岡貴子)