毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
【京成杯(中山の芝傾向)】
日曜の中山芝は良馬場で終日施行。JRA発表では土曜から日曜未明にかけて0.5mmの降雨を記録したが、土曜朝の含水率が11.4%(ゴール前)、日曜朝の含水率が11.5%(同=いずれもJRA発表)なので、降雨による水分増加はほとんどなかった。
時計がかかる京都と比べて、中山は引き続き標準以上の時計が出ている。むしろ、冬場としては時計が出ている方といえる部類。日曜は芝競走が4鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「4番手、6番手、7番手、3番手」。日曜に限れば、前半のペースが速かったレース(10R・サンライズS、11R・ニューイヤーSは典型)が多かった分、差しが利いていた。当然ながら極端な後方では届かない。
11R・ニューイヤーSは逃げたワンスインナムーンが飛ばし、レース前半3F33秒9〜後半3F36秒2の典型的な前傾ラップ。中団追走のドーヴァーが一気差しを決めた。勝ち時計1分32秒4は、自身が持つ最速時計(1分32秒8)を0秒4更新。同馬が力をつけているのも確かだが、前が引っ張れば、時計は出る状況。ただ内寄りの傷みは3〜4コーナーを除けばさほど進んでいないだけに、緩ペースなら先行馬が残る可能性はある。
京成杯は典型的な逃げ馬不在でSペース濃厚、速くてもMペースで中団以内は確保したい。3歳限定戦だけに、中山金杯(1分59秒2)ほど速い決着にはならないが、2分0秒台後半〜2分1秒台前半の攻防に。