20日(木)のメインレースとして行われる「第5回ヒダカソウカップ」。内回り1600mで行われるシーズン最初の牝馬限定重賞であり、3着馬まで7月18日の地方競馬・世代別牝馬重賞シリーズ「グランダム・ジャパン2019」古馬シーズン第3戦「第18回ノースクイーンカップ/1800m・外回り」優先出走権が付与されるトライアル競走にもなっている。さらに、JBC協会協賛スタリオンシリーズ競走でもあり「1着馬の生産牧場」に「マジェスティックウォリアー」の2020年種付権利も付与される。
レース名に採用された「ヒダカソウ(日高草)」は、インターグシケンやカツトップエース、キョウエイタップらJRA・GI優勝馬を輩出した様似郡様似町の日高山脈南部に位置する「アポイ岳」に生育する固有種の多年草。馬産地・門別競馬場の本場化&ナイター化が実現し、定着が図られるなか「日高」に立脚する地方競馬として、生産界に還元される割合の大きい「牝馬」選良の機会を増やす目的で、2015年に創設された。
3歳時の第1回こそ2着惜敗だったジュエルクイーン(父キンシャサノキセキ)は、2歳から明け7歳の今年1月まで全国を渡り歩いて息の長い活躍を続け、4歳&5歳時には当レースを連覇するなど重賞10勝の成績を残した名牝だった。その繁殖入りを受け「ホッカイドウ門別から羽ばたいた名牝の系譜」を受け継ぐニューヒロインの飛躍が期待される一戦が、今回のヒダカソウカップだ。そして、その座に最も近いであろう有力候補がアップトゥユー(牝5・角川秀樹厩舎、父サウスヴィグラス)だ。
ジュエルクイーンと同様、2歳秋の牝馬ダートグレード「エーデルワイス賞」で2着に食い込み、次戦、遠征で挑んだ川崎・ローレル賞を6馬身差の圧勝で重賞初V。ここまで、タイトルこそ一つに留まるが、昨年10月以降の充実ぶり(6戦3勝・2着1回、4着2回)には目を瞠るものがあり、近走ずっと使われてきた1200mのダートグレード「北海道スプリントカップ」には目もくれず、このヒダカソウカップに照準を合わせてきた。前述した通り「マイル戦」も、左回り・右回りの違いこそあれ川崎・ローレル賞で圧勝の実績があり懸念材料にはならないだろう。第1回をルージュロワイヤルで制した角川師が4年ぶりの美酒となるかにも注目だ。
強敵になりそうなのが、前年覇者で暖かくなるに連れて調子を上げるディナスティーア(牝7・松本隆宏厩舎、父ダイワメジャー)と、昨秋川崎の南関東牝馬重賞・ロジータ記念を快勝したクロスウインド(牝4・若松平厩舎、父ヴァーミリアン)だろう。特に同馬は昨年、この門別で3歳三冠レース最終戦「王冠賞」も制しており、古巣に帰ってきてのさらなる飛躍が期待される「若い世代の代表格」でもある。
10頭立てながら他の出走馬も多彩。3年前の道営記念優勝タイムビヨンド(牝7・堂山芳則厩舎、父タイムパラドックス)に、同日11Rで準メインとして行われた2歳牝馬重賞ブロッサムカップ快勝のジュンアイノキミ(牝5・米川昇厩舎、父セイントアレックス)のほか、果敢に格上挑戦した昨年の道営記念で堂々5着に食い込んだクオリティスタート(牝5・角川秀樹厩舎、父ダノンシャンティ)らも上位人気の一角に支持されそうだ。
発走予定は20時40分。ニューヒロインの誕生を楽しみにお待ちいただきたい。
(文=ひだか応援隊)