毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

【オールカマー(中山の芝傾向)】

　土曜の中山は芝、ダートともに良馬場で終日開催。また、土曜朝時点でのJRA発表の含水率は芝、ダートともに金曜より土曜の方が乾燥している。当初の予報では土曜の日中は雨が降る時間帯が長く、個人的には芝、ダートともに土曜段階で稍重〜重と想定していたが、完全に想定違いだった。

　芝は先週までのAコースから、内6m地点に内柵を設置したCコースに今週から変更されている。先週までも前＆内寄りの利が目立っていたが、前2週で傷んだ内ラチ沿いが柵設置でカバーされたこともあって、土曜は引き続き「前＆内有利」の傾向が続いた。

　土曜は、芝競走(障害レースは除く)は6鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「4番手、1番手、2番手、3番手、2番手、1番手」と完全に前有利。9R・九十九里特別(芝2500m)を勝ったステイブラビッシモは3番手イン追走から直線も内ラチ沿いを伸びて快勝。現在の芝状況を読み切った横山典弘騎手の好騎乗だった。

　10R・セプテンバーS(芝1200m)は逃げたエンゲージリングが2着に残り、2番手追走のエスターテが伸びて1着。典型的な「行った、行った」の競馬。勝ち時計も1分7秒6と速く、完全な高速馬場。

　12R・3歳上2勝クラス(芝1600m)は大逃げを打ったモルフェオルフェがそのまま粘って1着と、現在の芝状況を象徴するような競馬だった。

　日曜は一応、雨予報。雨が降る可能性は午後ほど高く、船橋市の降水確率は50％。問題はどれほどの雨量が降るかだ。少量だと芝状態はまだ良いだけに「前＆内有利」の傾向は続くとみる。ただ台風の動向次第では雨量が多くなる可能性もあり、オールカマー発走の午後3時台は多少時計が掛かりそうだ。