追い切りでも余裕の手応えでいい動きを見せたクロミナンス(撮影:竹之内元)
秋の中山開催もいよいよ今週フィナーレを迎える。新馬戦はもちろんながら2歳馬の1勝クラスのレースも始まっており、9月7日に行われたアスター賞では当ニュースで取り上げたサクセッションが見事勝利をおさめている。
一昨年はグローリーヴェイズが秋の中山最終週でデビュー勝ちを果たしたのちに菊花賞5着と善戦し、日経新春杯を制している。今週デビューする馬たちからも将来のスターが生まれるかもしれない――そんな期待溢れる週末になりそうだ。
【9月28日(土) 中山芝1200m】
◆キャンディフロス(牝、父マジェスティックウォリアー、母ミオリチャン、美浦・黒岩陽一厩舎)
スウェプトオーヴァーボード産駒の母は芝1200mで4勝。祖母は1995年のダービー馬タヤスツヨシの全妹にあたる。ゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、9月に入ってから再入厩。ここ2週は坂路で4F52秒台をマークしている。「気がいい牝馬で走ることに前向きなタイプ。手先も軽いし、楽な感じで動けている。スピードタイプで気性的にも短い距離が良さそう。初戦から楽しみです」と黒岩陽一調教師。鞍上は丸山元気騎手を予定している。
【9月28日(土) 中山芝1600m(牝馬)】
◆レッドラルジュ(牝、父オルフェーヴル、母ラグジャリー、美浦・木村哲也厩舎)
ショウナンマイティ(産経大阪杯)、ゴーフォザサミット(青葉賞)の異父妹。いとこに今年の愛ダービー馬Sovereignがいる。ゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、8月下旬に再入厩。坂路、芝、ウッドチップと様々なコースで調教の本数を重ねてきた。「テンションの高さに気をつけながら丁寧に進めてきたし、動きや体つきは週毎に良くなっている。血統馬だし、先々のことも見据えながら大事に育てていきたい。まずはマイルから使っていくけど、距離が延びてもいいと思います」と木村哲也調教師。鞍上は北村宏司騎手を予定している。
【9月29日(日) 中山芝1800m】
◆クロミナンス(牡、父ロードカナロア、母イリュミナンス、美浦・尾関知人厩舎)
マンハッタンカフェ産駒の母は4勝、クイーンC3着、クイーンS3着など重賞でも活躍した。伯父に中京記念を連覇したフラガラッハ、叔父にフェルメッツァ(アーリントンC3着、小倉記念3着)、叔母にエスティタート(シルクロードS2着)がいる。こちらもゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、8月下旬に再入厩。先週の追い切りはウッドチップコースで古馬2頭を相手に負荷をかけ、余裕の手応えで併入した。「まだ体つきには子供っぽさがあるけど、いい動きをしている。ロードカナロアの仔にしては胴長の体形。距離には融通が利くと思うし、血統的にも期待の1頭です」と尾関知人調教師。鞍上は戸崎圭太騎手を予定している。
◆フェデネージュ(牝、父ロードカナロア、母ホワイトエレガンス、美浦・国枝栄厩舎)
3代母は名牝シンコウラブリイ。クロフネ産駒の母は3勝、紫苑S2着など活躍した。ゲート試験は5月に合格。当初は夏の函館デビューも検討していたが、じっくりと牧場で成長を促して8月下旬に再入厩した。9月に入ってからはウッドチップコースで順調に追い切りを積み、時計的にも上々の動きを見せている。「もう少し前向きさが出てきてほしいけど、ひと追い毎に良くなっている。気性的にも体形的にも芝の中距離が合いそう」と国枝栄調教師。鞍上は武豊騎手を予定している。
(取材・文:竹之内元)