最終追い切りの動きに期待が高まる良血馬ダノンセレスタ(撮影:井内利彰)
一時期に比べると除外頭数が少なくなった新馬戦。先週の京都競馬では10頭を割るレースもあり、デビューするなら今が最適かも知れない。というのも次の中山、阪神の開催になると除外頭数が一気に増えるというのが例年の傾向。今年もこの時期のゲート試験の合格頭数はいつもと変わっていないだけに、そろそろ除外を気にする頃がやってくるだろう。
【11月23日(土) 京都ダート1800m】
◆クルヴァグランデ(牡、父タイムパラドックス、母ソレイユ、栗東・安達昭夫厩舎)
母系には芝で8勝を挙げたフィールドベアー(父フジキセキ)がいる血統だが、他にはダート1勝、芝4勝、障害1勝のスマートカルロス(父キンシャサノキセキ)もいて、いろんな場面で結果を出せる血統でもある。
本馬は11月13日の坂路で4F52.7秒をマーク。「追うごとに時計が詰まってきましたね」と安達昭夫調教師。乗り込み量は十分なだけに、あとはレースの流れに乗ってスムーズな競馬ができるかどうかだろう。鞍上は田中健騎手が予定されている。
【11月24日(日) 京都芝1800m】
◆ノルトシュライフェ(牡、父リアルインパクト、母デビルズコーナー、栗東・西園正都厩舎)
母は現役時代に芝1200m以下で3勝を挙げたスピードタイプだが「普段の動きを見ていると、短い距離よりはゆったり走ることができる距離で良さが出そうなタイプ」と西園正都調教師。
11月14日のCWでは新馬3頭での併せだったが、道中から速いラップで飛ばしたにもかかわらず、最後まで余裕ある手応えでフィニッシュ。6F82.8秒、4F52.1秒、1F12.4秒とテン、中、終いと優秀な時計。3頭のうち、1頭が大きく遅れたことを考えると、新馬にはきついペースだったと思われる。それをきっちり動けたあたりが価値ある追い切りといってよい。鞍上は和田竜二騎手が予定されている。
◆ミルフィリア(牝、父ルーラーシップ、母ミルフィオリ、栗東・吉田直弘厩舎)
半兄に芝で3勝を挙げているロライマ(父キングカメハメハ)がおり、母系には種牡馬としても大活躍したフジキセキ(父サンデーサイレンス)や2015年府中牝馬Sを勝ったノボリディアーナ(父フレンチデピュティ)がいる血統。
本馬は入厩当初に坂路で時計を出し、その後はCWで追い切るという調教パターン。CWでの時計は遅めだが、併せ馬では相手が新馬とはいえ、2週続けて先着している。鞍上は斎藤新騎手が予定されている。
【11月24日(日) 東京芝1800m】
◆ダノンセレスタ(牡、父ハーツクライ、母セレスタ、栗東・音無秀孝厩舎)
2017年セレクトセール当歳では9000万円で落札されたハーツクライ産駒。母はアルゼンチンで6勝を挙げており、エストレラスJF大賞典でG1を勝っている。
本馬が栗東へ入厩する前から「馬体の良さはもちろんだけど、血統的なことも含めて、大いに期待しています」と音無秀孝調教師のトーンは高かった。10月30日の坂路では4F53.1秒と最初の追い切りで速い時計を出してきたが、11月13日のCWでは6F82.3秒と時計は上々も併せ馬では遅れている。追走したことを思えば、悪くないのかも知れないが、最終追い切りでどんな動きを見せてくれるか注目したい。鞍上はL.デットーリ騎手を予定している。
(取材・文:井内利彰)