先週も気温が低いことはお伝えした栗東だが、今週は21日の調教開始前が最も冷え込んだ。その気温は4℃。厚手のジャンバーはもちろん、手袋をしていないと手先から冷えてしまうような寒さ。調教開始時間になり、陽が昇ってくると徐々に暖かくなってきたが、それでも空気は冷たい。
雨に関しては、18日の夜にそれなりの降水量があったものの、馬場に影響を与えるほどはなかったと思われる。
【坂路/4F51.9秒】
11月20日。一番時計は
エンゲルヘン(栗東・五十嵐忠男厩舎)の4F48.9秒。この数字が抜けて速いので、馬場差を考えるなら二番時計以降の4F50秒切り。これが3頭いたので、先週とあまり変わらない馬場という認識でよいだろう。ただ、4F区間の中でどこか1Fが11秒台のラップという馬が多数いる。これは前半と後半に差はない。ということは全体的に走りやすい馬場だと考えるべき。
とはいえ、やはり2Fで24秒を切る時計は優秀。ジャパンカップ(11月24日・東京芝2400m)に出走予定の
スワーヴリチャード(栗東・庄野靖志厩舎)は2F23.9秒を馬なりでマークするのだから、さすがG1ホースといった脚力を見せている。
21日。一番時計は4F51.9秒の
スターペスマリア(栗東・石橋守厩舎)。前日との時計差が大きいが、これは追い切り頭数の差。いつもの木曜日と比べても追い切り頭数が少なく、そのあたりは今週末が2場開催というのも影響しているかも知れない。
先週の馬場差は「-0.4秒」。時計が出やすい馬場になりつつあるのは間違いないが、今週も先週とほぼ同じくらいの印象。よって、今週の馬場差は20日、21日とも『-0.3秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
11月20日。このところのCコースは時計の出方がほぼ安定している。基準時計に近いこともあって、以前よりも時計が出にくい印象を持つ陣営も多いようだが、5Fで66秒が標準ということを考えると、それが今の馬場状態に近い。
それだけにある程度数字が出ると調子が良いと判断しやすいのは、調教を見ている側としては助かっている。
香港遠征を前にして、C.
スミヨン騎手が跨って追い切ったのが、
アドマイヤマーズ(栗東・友道康夫厩舎)。
ノーブルカリナンを追いかける内容だったが、馬の後ろでしっかりと我慢し、最後の直線で追い出されると力強く伸びていた。ジョッキーとの相性も良さそうなだけに、前走からの巻き返しに期待したい。
11月21日。馬場状態としては前日と変わらず。ただ、時間帯としては前半よりも後半の方が少し時計が出やすい。これは20日も同じと考えてよい。
今春はアメリカ遠征で3戦した
マスターフェンサー(栗東・角田晃一厩舎)。浜中俊騎手を背に、
メイショウセントレを追いかける併せ馬だったが、最後の直線ではしっかりと伸びて、時計は6F82.2〜5F67.0〜4F52.3〜3F38.7〜1F12.8秒。もっと良くなってきそうな雰囲気はあるものの、さすがの動きを見せていた。
先週の馬場差は「-0.3秒」。この季節らしく、週を追うごとに気温は低くなっているが、馬場状態は先週とあまり変わっていない。よって、今週の馬場差も『-0.3秒』で20日、21日とも記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
ここ最近では最も多い追い切り頭数となった今週の芝馬場。馬場状態としては先週からほぼ基準時計通りで、今週も変わりない。よって、今週の馬場差は20日、21日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場での追い切り頭数は、先週に比べると少し減った感じ。ただ、これは全体的な追い切り頭数が減ったことによるものだろう。馬場状態は変わらずに安定している。馬場差としては、先週と同じ『±0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)