私は気象予報士という職業を生かし、季節馬激走予想を行っています。まずレース当日の気温を12度未満の「寒」、12度以上18度未満の「涼」、18度以上25度未満の「暖」、25度以上30度未満の「暑」、30度以上を「酷暑」とした5段階区分けし、配当妙味のある季節馬を特定。
さらにJRAの馬場発表をもとに馬場状態を解析、分類します。それらの独自情報を活用し、それぞれの気候・馬場に合った穴馬を抽出。ここでは、過去10年の気候成績から激走馬の傾向を分析。当日気候レベルを想定し、激走が期待できる馬を抽出しました。
【涼〜寒の時期に活躍し、渋った馬場で結果を残してきた馬が有力】
今回取り上げるシンザン記念は3歳馬の出世レースといわれる一方で、3連単の配当は2012年281,970円、2016年671,850円、2019年112,900円など、10年間で6回も10万円超が出る波乱のレースとなっています。2014年を除き、ほぼ毎年連対に入ってきている激走馬を見極めることが、高配当を獲得する大きなポイントになります。
過去10年の気候成績や馬場成績から激走が期待できる馬を抽出していくと、1番人気の連対率は30%、複勝率は40%、直近5年の成績は[1-0-1-3]と、信頼度はそれほど高くありません。
激走馬は過去10年間で13頭おり、14年を除いて、毎年激走馬が1〜2頭出現しています。昨年はマイネルフラップ(10番人気)が2着に入るなど、10番人気以下の馬に注目したいところです。
以上を踏まえ、注目ポイントを挙げていくと3つの点が浮上してきます。まずは「連対20頭中13頭が、前走寒〜涼で掲示板内の成績を収めている」点です。さらに、「連対した激走馬9頭中4頭にいたっては前走寒〜涼で1着だった」点も見逃せないポイントです。
2010年に9番人気で2着だったシャインは、前走の中京2歳S(当時は12月施行)を8番人気で勝利したときは「涼」でしたし、2018年に7番人気2着のツヅミモンは前走の新馬戦を1番人気に応えて勝ちましたが、その当時の状態は「寒」でした。
「馬券内に入った激走馬13頭中8頭が、稍重〜重馬場にて連対実績ある」点もポイントで、2011年に7番人気で勝ったレッドデイヴィスは「重/水多[0・1・0・0]」、2013年の2着馬ヘミングウェイ(9番人気)は「稍/水少[1・1・0・0]」、2016年の勝ち馬ロジクライと2017年の勝ち馬キョウヘイ(いずれも8番人気)はそれぞれ「重/水少[1・0・0・0]」、「重/水少[0・1・0・0]」という実績がありました。
シンザン記念での好走条件として「前走寒〜涼で好成績の馬」という前提を踏まえたうえで、激走馬の傾向として、「前走寒〜涼で好走にもかかわらず、人気を落としている馬」、「当日の馬場状態に関わらず、稍重〜重馬場での実績がある馬」については、注意しておきたいところです。
(文=三宅誠)