東京新聞杯を予定するケイアイノーテックは本当にいい動き(撮影:井内利彰)
今週は全国的にも冷え込む天気予報だったが、栗東も6日に今季初めての積雪。調教スタンドの気温計は「-0℃」の表記で、小雪が舞う中での調教となった。
ただ、積雪とはいってもうっすら雪化粧といった感じ。ゆえに、調教に影響が出るほどの雪ではなかったし、寒さに関しても例年に比べれば、これくらいは当然といったレベルに感じられた。
【坂路/4F51.9秒】
2月5日。時計を要する状態だった先週22日と比べても、見ただけで速い時計が出ている印象。実際、一番時計はストロングタイタン(栗東・池江泰寿厩舎)の4F48.5秒。とんでもなく速い数字だが、4F50秒台も9頭もいたので、やはり走りやすい馬場であったことは間違いない。
ゆえに速い時計でも評価が難しくなるところだが、東京新聞杯(2月9日・東京芝1600m)に出走予定のケイアイノーテック(栗東・平田修厩舎)は本当にいい動き。体重の軽い藤懸貴志騎手が跨っていたとはいえ、地面をしっかりと捕まえる走りで、時計は4F53.1〜3F38.3〜2F24.4〜1F11.9秒。全体の数字は速くないが、とにかく余裕のある動きが印象的。G1を勝った東京マイルで、と期待したくなるような追い切りだった。
6日。雪が降る中での追い切りだったが、時計の出方は前日とほぼ変わりない。一番時計は4F50.5秒のコパカティ(栗東・佐々木晶三厩舎)だった。
2回目のハロー直後の時間帯で素晴らしい時計をマークしたのがカレンモエ(栗東・安田隆行厩舎)。併せ馬を追走していたが、残り300mあたりで前を捕まえに行くと、ぐんぐんとスピードに乗って、あっさり交わすとあとは突き放していく。4F51.8秒は馬場を考えれば、特筆するほどではないにせよ、2F24.0秒、1F11.6秒は本当に素晴らしい。父ロードカナロア、母カレンチャンという超良血だが、いよいよ本格化の4歳という感じではないだろうか。
先週は1月29日が『±0.0秒』、30日が『-0.2秒』という馬場差だったが、今週は基準時計よりも速い印象。よって、馬場差は5日、6日で『-0.4秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
2月5日。馬場状態は非常に安定していて、速い時計をマークする追い切りが次々。テンからいいペースで飛ばしていっても、最後まで止まらないケースが多い。ただ、単に時計が速いというだけではなく、実際の身のこなしを見ていても、しっかりと動けている。
ヴァンケドミンゴ(栗東・藤岡健一厩舎)なんかはその典型。6F区間こそ遅いラップだったが、5Fは64.8秒だったように、速いラップを刻んでいた。併せ馬では追走して、最後は追いつきそうにないところだったが、残り180mくらいで一気に加速して相手を抜き去っていく。4F50.1〜3F36.1〜1F11.5秒は本当に素晴らしい動きだった。
2月6日。小雪が舞う中での追い切りだったが、馬場に与える影響は少なかった。むしろ寒さに馬が喜んでいるのか、速い時計が連発という印象あったくらい。ジュンヴァルカン(栗東・友道康夫厩舎)の6F78.4秒、ドナセラ(栗東・奥村豊厩舎)の6F77.4秒など、普段はさほど速い時計を出すタイプでなくても動いていたという感じ。
先週30日の馬場差は「-0.6秒」。今週は先週以上の時計が出やすい馬場だったと判断。よって、5日と6日ともに『-1.0秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は5日に藤原英昭厩舎、加用正厩舎が追い切り。頭数は少なく、馬場状態も悪くはないが、良くもないといった印象。6日に関しては、積雪があったこともあり、追い切りは確認していない。馬場差に関しては『±0.0秒』で5日、6日とも記録している。
ポリトラック馬場での追い切りは5日だけで50頭近い。雨が降っていないのに、これだけ頭数が増えたことに疑問だったが「ウッドだと球節を擦ってしまうので」といった意見があり、脚元を考えての馬場選択もあるようだ。6日に関しては、積雪があり、こちらも追い切りはかなり少なくなった。なお、時計の出方は普段と変わりない。よって馬場差は、先週と同じ『±0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)