「チューリップ賞・G2」(7日、阪神)
母子制覇へ向け、ムードは最高潮だ。白菊賞を快勝した
ショウリュウハルは、母に10年覇者である
ショウリュウムーンを持つ素質馬。重賞初挑戦で一気に相手は強化されるが、状態は前走よりも格段に上向き。チャンスは十分ある。現在は2勝馬の身で、桜花賞(4月12日・阪神)出走に向けては、ここが勝負どころ。きっちりと権利を獲得して、大舞台へ駒を進めてみせる。
10年間の時を経て、娘が母と同じ道をたどり、桜の女王決定戦を目指す。
ショウリュウハルは、10年にこのレースを制した
ショウリュウムーンの娘。母は当時、9番人気と伏兵だったが、のちに牝馬三冠を達成した
アパパネを撃破した。今年も無敗の2歳女王
レシステンシアなど好素材がそろったが、受け継いだ豊かな素質を存分に発揮し、母の再現を狙っている。
佐々木師は「いいよ。絶好調。前走は最低と言っていい出来だったからね。向正面で右に左にと何度も手前を変えていた。前走の3着馬(
ヒルノマリブ)はその後、紅梅Sを勝ったしね。その時より体も成長しているから」と好感触をつかんでいる。力強い末脚で活躍した母とは脚質が異なり、自在性と先行力を武器に2勝。「お母さんに似て根性がいいね」と高評価だ。
手前の変換とハミ受けを確認してもらうべく、2週続けて新コンビの松若が追い切りにまたがった。鞍上は「前回(2週前)は手前を変えませんでしたが、今回(1週前)は変えてくれた。追えばもっと伸びそうな感じもあったし、いいフットワーク。いい馬ですよ」と手応えは十分だ。
担当の北岑厩務員は母も手掛けた腕利き。「我が強いし、自分を持っているところは一緒。けど、お母さんはもっとうるさかった。この馬の方がコントロールしやすい」と精神的に大人びている娘に目を細める。
「阪神マイルも大丈夫。この前の状態で負けなかったのはすごいし、何とか権利を」と指揮官。母が重賞初制覇を飾った思い出の一戦で、娘も輝きを放つ。